各方面で色々な省エネ活動が取り組まれているが、電力の使用量を減らす動きも強まっている。各種電子機器の低消費電力化が進み、以前に比べ、個々の電子機器は省エネ化が進んでいるものの、一方では電子機器・装置の増加で設備全体の電力使用量はむしろ増加傾向にある。電力使用の実態を「見える化」する方策は各種提案されており、使用実態に合わせて選択がすることができる。
その中でも、最も簡単に導入でき、投資コストも抑えることができる手法の1つが、電力使用のデマンド監視だ。
デマンド監視とは、電力使用時のピーク値(最大デマンド値)を抑えることで、電気使用量の平均化を図り、電気の基本料金を下げるもの。
電力会社はデマンド計を利用して30分ごとの平均使用電力を記録し、その中のピーク値(最大デマンド値)を基本料金の基準値としている(500kW未満の実量値契約の場合)。わずか30分間の最大瞬間電力で、1年間の基本料金(契約電力)が決まってしまうため1度でもピーク値が高くなると、その後1年間はいくらスイッチを、こまめに切っても節約効果はあまり期待できないことから、ピーク値を抑えて基本料金を下げることが重要になる。
なお、契約電力が500kW以上の場合は電力会社との交渉で基本料金が決まる。
(図1)