素材価格の高勝続く震災復興への影響も懸念

大手化学メーカーでは各社とも、昨年末から今年の2~3月にかけ、原油高と副資材の価格高騰を理由に、樹脂の値上げを実施しており、特に地震が起きたことによる値上げの動きは出ていない。ただし、樹脂の添加剤が入手困難な状態であり、供給面で不安もある。また、リビアを始めとする中東情勢如何によっては、さらなる値上げもありうる。

値上げ額は、汎用樹脂であるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がキロ当たり20円から30円、高機能のエンジニアプラスチックで50円から80円と幅がある。

エンジニアプラスチックでは、コネクタ、マイクロスイッチ、コンデンサケースなどの主要素材であるPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)が、一般・難燃グレードとも国内価格キロ当たり40円から50円、海外は0・50から0・60USドル。

ポリカーボネート樹脂(PC)は、30円から50円(約10%の値上げ)。ポリアセタール樹脂(POM)国内20円、海外0・25USドル。変性ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)国内25円、海外0・30USドル。

ナイロン6、ナイロン66は50円、ナイロン12は80円となっている。

鉄・鋼板も昨年から原材料高と需要の増加で値上げを実施しているが、地震を理由とする値上げの動きは今のところ出ていないが、今後の復興需要の状況次第では、どうなるか分からない状況である。

日鉄住金鋼板は、昨年5月にトン当たり2万円の値上げを実施。今年に入ってからも、1月に新日本製鉄がH形鋼で同1万円の値上げを実施、これは2カ月連続の値上げとなり、計1万3000円の大幅値上げとなった。

海外の鉄鋼メーカーも値上げを実施しており、韓国の電炉メーカーである現代製鉄などが鉄スクラップの値上げを実施。値上げ額は、特殊形鋼・丸永鉄鋼などがトン当たり1万~1万5000ウォン(750~1100円)。

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