「オールインワン・サーボモータ」として、ドライバ、エンコーダ、モーションコントローラ、シーケンサ、ネットワークまでを、1台に内蔵した製品も販売されている。配線作業が不要で、省スペース化、トータルコストダウンに繋がる。
搬送機械、繊維機械などでは、1台のマシンに使用するモータ数が多く、特にサーボアンプの小型化や各軸のゲインチューニング工数の短縮が求められている。このため回路基板をワンボード化するなど、高密度実装と最適放熱設計での超小型サーボアンプも登場している。
機械・装置と、サーボドライブを繋ぐインタフェイスも重要性を増してきている。機械・装置のコントローラとサーボドライブ間ではアナログ信号やパルス信号が標準的に使用されているが、近年のサーボドライバーの高性能化・高機能化で、機械・装置のコントローラで制御していた機能もサーボドライバーで行うことが可能になりつつある。
これによって、従来のアナログ信号やパルス信号による指令では、精度や性能の向上が難しいとして、各種の新たな通信方式が開発され採用されつつある。
伝送速度が最大で100Mbpsと高速であることから、各種データも同時に送受信が可能で、機械・装置のコントローラ制御だけでなく、ネットワークとして生産ライン全体に適用しようとしている。ネットワークは、国、地域、ユーザーによって異なることから、どんなネットワークでも対応できるようにオープン化への対応が進んでおりサーボモータ各社は、標準またはオプションで対応を進めている。
機械安全の追求から、モーションのセーフティ化や防爆対応品の開発も進んでいる。セーフティでは、EN954
Safety
Stop―0を標準装備したサーボモータも発売されているが、可変速ドライブシステムの機能安全規格であるIEC61800―5―2への対応品も今後増えてきそうだ。防爆ではATEXの新防爆基準に対応し、小型・軽量でコンパクト化したACサーボモータが標準で発売されている。そのほか、厳しい環境下でも使用できるよう保護構造IP65などを標準採用したタイプやIP67対応品も増えつつある。
サーボモータ市場は外需の割合が高くなる中で、中国などでの現地生産による地産地消の動きが一段と強まっている。工作機械の生産では中国が世界一となっていることがコスト優先の対応が求まれる大きな要素と言える。同時にステッピングモータからの置き換えや、インバータとの機能分担など多様な形での市場開拓が取り組まれており、市場が堅調拡大することは確実だけに、震災後の復旧をいかに短期間で行うかがポイントと言えそうだ。