富士電機は、世界最高レベルの高効率パワー半導体(新3レベルIGBTモジュール)を搭載した大容量UPS(無停電電源装置)「HXシリーズ」を発売した。
新製品は、独自技術のRB―IGBTを採用した『新3レベル変換技術』を搭載することで、IGBT素子のスイッチング損失を低減するとともに、インバータが出力する高調波成分を半減させたことで、波形成形回路損失も低減し、世界最高レベルの電力変換効率97%を実現している。
また、RB―IGBTを搭載することで、回路構成を簡易化し、フィルタも小形化しており、設置面積を同社従来品より30%以上削減でき、データセンターの限られたスペースに、サーバーなどの機器の増設が可能となる。
さらに、複数台のUPSで並列構成されるシステムで、万が一、1台のUPSが故障しても、重要負荷に対し、電源切断することなく、継続して負荷容量に見合った電力を供給できる完全独立並列冗長方式の構築が可能となっており、それぞれのUPSには主従の関係がなく、同社独自の相互監視制御方式で運転しているため、共用部分がなく高信頼性なしでシステム構築ができる。回路方式は常時インバータ給電方式で、装置容量は500kVA。
なお、中国仕様も同時に発売し、中国市場への積極的な展開を図る。
情報通信社会の進展に伴い、データセンター(IDC)の設置が拡大するとともに、半導体・液晶ディスプレイ及び太陽電池などの工場生産ラインには、電源供給の信頼性と安定性を確保するため、UPSの設置が増えているが、一方で企業はこうした大規模な設備の電力使用量の効率化と環境負荷の低減が求められおり、大容量UPSにおいても高効率の製品が求められていた。