分岐点

計画停電という言葉が世間に通用しだしたが、制御機器業界に6月までの期間限定であるが、特需という形で恩恵をもたらしている。もっとも、7~9月は逆に受注減少が予測されることから、夏場以降は復旧復興需要でその分をカバーしたい。ただ、見通しは不安定で不透明である。▼

ある制御機器メーカーは大震災発生で部材不足を予測し複数の商社に発注した結果、大量の在庫を抱えてしまった。ところが、顧客の大手メーカーから通常より多い注文が入りほっとしたが、顧客は夏場に長期間生産停止するため、休日返上して増産していることが分かり、先行きを不安視している。▼

製造業にとって、電力の不安定供給が最も困る。エネルギー分野でも製造業の生産管理手法を学んで欲しい。製造業は、生産現場の情報と経営情報を融合させ、本社と分散する工場、個々の生産機械の間で情報を摺りあわせ生産の効率を高めている。工場、機械それぞれが自立した制御機能を備えている。▼

今後のエネルギー政策はこの自立分散制御方式が良い。家、事務所、工場など個の単位(生産現場の機械に相当)は自家発電機能を持ち、地域単位(工場)で過不足を監視制御、さらに広域単位(本社)で電力の融通を決め指示するシステムの構築である。制御業界には、新たな制御・インターフェース市場が生まれる。

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