山武は、気象データによる電力需給最適化支援パッケージ「ENEOPTpers(エネオプトパース)」及び、電力デマンド制御パッケージ「ENEOPTdemand(エネオプトデマンド)」を6月1日から納入を開始する。
産業部門で心配される電力不足問題に対し、同社の計測と制御の技術を活かし、生産現場で積み上げてきたノウハウを集積したもので、この2つを組み合わせたソリューションにより、一歩先をいく電力使用量削減を支援していく。価格と販売目標は、ENEOPTpersが300万円からで初年度100システム、ENEOPTdemandが100万円からで同50システム。
ENEOPTpersは、48時間先の気象データ(温度・湿度)と過去の使用電力量から、当日と翌日の電力需要を予測することができるシステムで、同社の「熱源設備/動力プラント
全体最適化パッケージU―OPT」で実績のある負荷予測モデルに、48時間先の気象データや前日・前週の使用電力量を入力し演算する。
また学習機能を保持しており、当日の気象データ(実績)もパラメータとして活用することができるため、電力需要を補正することも可能だ。このため、電力需要が目標値を超える予測が出た場合は、シフト勤務の実施や、生産計画の優先順位を決定して少ない電力で生産を行うなど、適切な判断を行い、もっとも効果的な対処方法を決定することができる。
これを複数の事業所に導入することで、例えば生産工場の電力負荷は維持し、事務棟中心の事業所の負荷を下げるといった生産重視の電力需給を行うなど、事業所間で相互に予測データを把握し、電力削減の施策を複数事業所間で調整することも可能になる。
さらにこれらの予測情報は、本社をはじめとする当該事業所以外の拠点においてもWebで閲覧でき、企業グループ全体での削減活動に取り組むことで、電力需給を「見える化」し、社員一人ひとりを巻き込んだ電力削減活動にも繋がる。
ENEOPTdemandは、使用電力量が契約電力量を超えないよう負荷制御を行うデマンドシステム。
同社のDCS「協調オートメーションシステムHarmonas」などで実績のある電力デマンド制御を、プログラマブル表示器と計装ネットワークモジュールNXに実装したもの。