オータックス(横浜市港北区新羽町1215、TEL045―543―5621、富田周敬社長)は、6月からマレーシアでディップスイッチの生産を開始する。すでに試験生産を開始しており、将来は月産100万個の量産体制を確立する。
同社はディップスイッチのトップメーカーとして、中国工場を中心に、韓国、日本でも生産をしている。これにマレーシアを加えることで世界4拠点での生産体制となる。「メイド・イン・マーケットが狙い」(富田社長)であるが、生産の分散による危機管理への対応も考慮している。「中国工場は中核の工場であるが、人件費などの上昇もあり、中国プラス1のグローバルな見方を常にしておく必要がある」(同)としており、その先にはインドやバングラディシュなども視野に入れたワールドワイドな展開も計画している。
マレーシアは一時コネクタや端子台の生産を行っていたが、その後中国工場にすべて生産を移管し、現在まで販売拠点となっていた。一方、売り上げはスイッチ、コネクタ、センサ関連製品とアルミ加工が柱となっているが、「これらの技術を活かして手に持って歩けるもので、大量に使ってもらえる製品の開発を考えており、センサ技術や健康などもキーワードにしていく」(同)計画を立てている。
今年4月からの5カ年中期経営計画「PLAN115」を策定し、100億円の売り上げと10億円の利益がコンスタントに維持できる体制の確立を進めていく。10年3月期の連結売り上げは前期比39%増の83億円強と好調であったが、今期は「震災の影響で先が読めないことや、エコポイントの終了などの影響もあり、70億円と減収になる」(同)としている。
昨年10月に就任した富田社長は「株主、従業員、販売店の利益を増やすために、創業から36年間の技術を磨いて、価値ある企業にしていきたい」と今後の企業方向を語っている。