節電対策のひとつとして、インバータ制御盤への関心が急速に高まっている。モータの回転数を削減し消費電力を減らすことができるためで、生産設備から工場、水処理場、オフィスビル、商業施設など幅広い分野からの需要が、今後かなり増えそうである。遠隔監視装置とのシステム構築需要も期待できる。
今夏の計画停電の回避へ産業界は節電対策に余念がないが、この使用電力量削減で大きな効果を上げられるのがインバータ制御盤である。
福島原発事故で電力供給が大幅に減少しているのに対し、政府は今夏の計画停電を回避するため産業界に節電対策が要請したことから、にわかにインバータ制御盤に対する注目が集まった。このインバータ制御盤はモータの回転数を削減制御して効率を高めるもので、近年市場が拡大しているが、今後さらに需要が増えるものと見られる。
インバータ制御盤の節電効果は高く、モータ回転数の削減率の3乗に比例して省エネ効果が出てくるといわれている。ある会社の試算では、50Hz地域での回転数を2割下げた40Hzで節電率が46%に達する。30Hzで77%、25Hzで86%と大きな節電が可能だそうである。
そのため、動力をモータとする機器や装置にはインバータ制御盤が最適というわけである。
工場のモータ駆動の各種設備やオフィスビルの給排気ファン、地下駐車場の給排気ファン、商業施設の熱源系ポンプ、空調ファン、冷温水ポンプの変流量制御、冷却塔ファンなど用途は広い。
インバータ制御盤は屋内用、屋外用、自立型、壁掛け型などがあり、制御方法も温度、圧力、流量、CO2濃度、CO2濃度、タイムスケジュール切り替え、手動操作など多様である。
節電による電気料金の削減で、設備投資金額を短期間で回収できることから、インバータ制御盤の需要は今後より一層増えるのは確実である。