一方、配線接続機器の原材料価格は、銅や樹脂製品が一昨年後半から値上がりが続いており、今年に入ってエンジニアプラスチックを中心に10%前後の値上げが実施された。素材価格全般は、このところ落ちついているが半導体などの価格が上昇していることもあり、電気制御機器全体としては価格改定に取り組み始めている。
端子台需要で最も大きな部分を占める民生機器用途では、プリント基板タイプが多く採用されている。
プリント基板対応タイプは、インテリジェント化、薄型化、省スペース化、狭ピッチ化が進んでおり、さらなる伸長が見込まれる。
配線作業の省力化につながる圧着端子とバネを一体化したタイプは、各社独自のノウハウで製品展開を図り定着している。バネ式端子台は、長期間の振動にも強いため(振動によるネジの緩みがない)、公共の輸送・交通設備にも採用されている。また、欧州式の圧着端子を使わないタイプも浸透している。作業性の良さと安全性などが大きなポイントといえる。国内メーカーでも、このタイプを品ぞろえしており、主流になっている。
リレーバリア、ランプバリアなどのコネクタ接続タイプでは、小型・軽量化が進み、収納ボックスの小型化、コストダウンが図られているほか、防爆構造タイプの製品も伸長している。
現場でのアース工事が不要で、非本質安全端子側の配線は電源2本とコネクタだけのため、配線工数の大幅削減につながる。国内の防爆規格やNK規格、さらに欧州のATEX、米国のFM、カナダのCSAといった海外規格にも対応している。
また、各メーカーでは端子台の付加価値を高めるために、各種の新製品を投入している。特に、省配線化ニーズに応え、コネクタ化や複合化(ハイブリッド)などの工夫を行っている。
省配線化は、盤と盤、盤と機器、機器と機器の間をつなぐ上で作業やメンテナンスの工数削減に繋がることからニーズが高い。応用製品として、機器間や設備内の省配線を図る省配線機器・システムや伝送ターミナルなどは、接続以外の付加価値があり、新しい市場を形成している。
配線作業の容易化・省力化の観点からスタッド形端子台の需要が急増している。スタッド形端子台は、配線作業が容易で作業の省力化が図られるとともに、配線効率が高いのが特徴である。さらに、挟み込みなどの接続不良を未然に防止できる効果もある。