端子台、コネクタ、配線資材などの配線接続機器市場が堅調な動きで推移している。産業界全体がリーマンショック後の後遺症が癒えて活発な動きとなって、配線接続機器の需要を支えている。東日本大震災によって、素材工場などが被害を受けたことで受注が先行し、納期的には厳しい局面も見られるものの、比較的順調に推移している。配線接続機器に使用される機器・用途が小型化、省スペース化、薄型化、安全性への配慮といった志向を強め、加えて簡単な作業、環境への配慮などにも対応を求められており、製品開発もそういった点に重点を置いた取り組みを行っている。
配線接続機器市場は、ここ1年で急速に需要を回復している。日本電気制御機器工業会(NECA)の制御用専用機器の出荷統計では、2009年度1025億円(6・8%減)であったが、10年度は同22・4%増の1254億円となり、大幅に回復している。また、経済産業省の機械統計によると、09年(09年1~12月)のコネクタの生産は、前期比24・7%減の3791億円だったが、10年は同26・0%増の4775億円と、約1000億円増加した。こうした動向から推定すると市場規模は、端子台が約450億円、ケーブルアクセサリー・配線ダクト類で約70億円と推定され、合計で約5400億円の市場を形成している。
国内市場は、半導体・液晶製造装置分野、電子部品分野が堅調に推移し、工作機械、自動車関連、電力をはじめとした社会インフラ関連、それに太陽光や風力などの再生可能エネルギー関連向けを中心に堅調な拡大が続いた。
東日本大震災の影響が心配されたが、配線接続機器市場ではコネクタや素材関連で影響が出たものの、ほぼ回復しており、現在は大きな影響になっていない。
原子力発電所の事故で、再生可能エネルギーへの注目が急速に高まってパワーコンデショナー需要や、発電機、無停電電源装置(UPS)、電気自動車関連などへの配線接続機器需要増が期待されている。
電力送配電の効率化を狙いとしたスマートグリッド市場も、海外市場狙いから、電力不足や電力の効率的な運用の点から日本国内でも導入が必要だとして、取り組む動きが強まりつつある。