最近のコネクタの傾向は、超小型・スリムサイズ、低背化、最軽量化、SMT対応、カード用コネクタの増加などが目立つ。また、接触の安定性確保、環境・作業性に配慮した結線方式採用への取り組みも進んでいる。
安全ニーズに応えたセーフティタイプのコネクタも浸透している。配線の接続作業時や計測業務時、あるいは配線接続部分での不用意な接触事故などを未然に防ぐ構造となっているのが大きな特徴で、工場、研究室、学校など様々な分野で使用されている。
産業機器分野で普及が期待されているのが、工作機械や半導体製造装置などで使用されるセンサを繋ぐコネクタである。機械・装置で使われるセンサは多種あり、メーカーによって使用されるコネクタも異なっている。そこで、コネクタの標準化を図ることで、配線工数や在庫コストなどを削減し、トータルコストのダウンに繋げようという取り組みが進んでいる。
コネクタ市場もグローバル化に伴う販売競争の激化から、メーカーの再編が行われており、端子台同様、特徴のある製品・営業展開が鍵を握っている。
ケーブルアクセサリーや配線ダクトは、配線接続機器を陰で支えているが、最近では端子台、コネクタの需要増と比例するように用途拡大が進んでいる。特に、ケーブルアクセサリーは、デジタル家電や自動車向けを中心に堅調に推移している。この分野でも環境対策が進んでおり、環境負荷の大きい有害物質の排除に向けたエコ製品の開発や再利用できるタイプの開発が進んでいる。また、ケーブルと取り付けベースを一体化した製品など高付加価値製品も開発されている。
配線接続機器は、幅広い用途で使用されていることで大きな落ち込みもなく比較的安定した市場を形成している。海外メーカーも独自の特徴を活かしながら活発に市場開拓を行っており、市場に活気を与えている。
今後、中国、韓国メーカーなどもコスト競争力を前面に出した日本市場開拓を進めてくることが予想され、国内メーカーはこうした動きに、品質、安全性、使い易さ、納期などの特徴を発揮しながら取り組む必要がある。同時に、市場のグローバル化が進んでいる中で、アライアンスも視野に入れた局面も出てきそうだ。製品と市場の変化への迅速な対応が求められる。