国内最大の電気設備機器・資材・工具などの関連総合展示会である「2011電設工業展(ECEMF2011)」(主催=日本電設工業協会)が、5月25日から3日間、東京ビッグサイト(西1、2ホール)で開かれる。出展者数は192社(539小間)となった。これは社数、小間数とも過去3番目の規模。このうち、新規出展が26社、海外企業7社となっている。東日本大震災の影響が懸念される中、ライフラインのひとつである電気の果たす役割が再びクローズアップされており、同展への期待も高まっている。開場時間は午前10時~午後5時(初日は午前10時30分開場、最終日は午後4時30分閉場)。入場は無料(登録制)。
同展は毎年、東京と大阪で交互開催しており、今年で59回目となる。今回の展示会テーマは「低炭素社会へ~電設技術とグリーン・イノベーション~」。
電気設備機器の技術は、めまぐるしい進歩を遂げており、とりわけ昨今の地球温暖化に対する世界的な関心の高まりは、電気設備の果たす大きな役割となって更なる期待が集まっている。
東日本大震災の発生で電力の供給不足の心配や復旧・復興に向けたライフライン確保など電気設備機器を取り巻く環境は大きく変化している。同展ではそこで急きょ、サブテーマとして「元気な日本へ目指せ復興!」を掲げることになった。出展製品も、出来る限りライフラインの安全確保に関係した展示を意識した内容を目指している。とりわけ、省エネ化や再生可能エネルギーの活用に繋がる取り組みが著しい。
電気を効率的に運用管理・制御するスマートグリッドへの関心も一層高まっており、ビジネスとしての動きも活発化している。セキュリティ、ネットワーク、国際標準化などが関連技術として絡んでおり、市場の裾野も広い。
今回の出展者のうち、LED関連23社、太陽光関係10社、風力関係2社、EV関係7社、スマートグリッドなど新技術関係8社が新エネ・省エネ関係で展示を予定しており、特にLED関係、EV関係、新技術関係が前回より増加している。
こうした流れのなかで、同展は1957年に第1回を開催以来59回目となり、半世紀以上の長い歴史を誇る。この間、電気設備機器の進歩・発展に貢献し、その役割は昨今のエネルギーを取り巻く環境の変化の中でますます増大している。
来場者も、国内の電気工事業者をはじめ工事発注者、設計者などに加え、近年は海外からの出展や来場者も増えており、国際的になりつつある。
同展には、電気設備に関連する電線・ケーブル・絶縁材料、電線管・ダクト・ラック・レースウェイ・ポール・架線金物・地中線材料から始まり、電力機器・配電機器・キュービクル・制御盤・配分電盤・計器・計測器、配線器具・照明器具・光源、防災システム・自家発電装置・蓄電池設備・火災報知設備・避雷設備、通信機器・多目的情報管理システム・電子制御機器・工具・用具・保護具・ビル管理システムなどの電気設備システム、CAD、空調・環境設備、さらには太陽光・風力発電などの新エネルギー設備機器まで非常に幅広い製品が展示される。特に今回も、開催テーマにもなっている環境・省エネを意識した出展が予想される。
会場は見やすいように、関連する製品ごとにA~Gまで7つのゾーンにまとめた展示となっている。さらに、昨年好評であった来場者に会場全体を回って見てもらうための「抽選スタンプラリー」も実施する。スタンプの数に応じた回数で、電気製品などが当たるくじを引くことができる。
展示会と併催の製品コンクールも今年で50回目を迎える。今回も47社が参加を申し込んでおり、製品力・技術力を競う。優秀製品には、国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞など多くの賞が授与される。入賞製品は展示会終了後の6月17日に発表され、7月7日に表彰式が行われる。
展示だけではアピールしきれない出展製品や最新技術、企業紹介などを1社30分間行う「出展者によるプレゼンテーションセミナー」が3日間予定されている。現在19社が参加を予定している。
また、初日の25日には特別講演会として、国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問の末吉竹次郎氏による「低炭素社会に向けた企業の取り組みについて」と題し行われる。
そのほか、2011製品コンクール参加製品パネルコーナー、電設資材電子カタログ(JECAMEC)コーナー、商談コーナー、図書コーナーなども設けられる。
なお、同展と連動して会期前後の5月1日から7月31日までの3カ月間、電設工業展の公式サイトを利用したWebとして「電設工業展PLUS」が開設されている。展示内容の事前予備情報や終了後の担当者への問い合わせなどにも活用できる。