第59回の電設工業展が開会できますことを、まずもって御礼申し上げま
す。
3月11日に発生しました東日本大震災により幾多の尊い命が失われました。亡くなられた方々に対しまして深く哀悼の意を表します。
また、多くの方々が未だに厳しい避難生活を余儀なくされておられ、衷心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地域の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
さて、東日本大震災の影響で、電気の供給能力が不足し計画停電が実施されたことに加えて、この東京ビッグサイトが被災者の受入れ施設として利用されたことから、電設工業展を開催するかどうかについて議論を重ねました。
電設業界は、経済・産業活動や国民生活を支える重要なライフラインである電気設備の安全かつ効率的な提供を担っている業界であり、電設工業展を通じて電気設備の重要性を改めてアピールしていくべきであるとの思いから予定通り開催することを決断させていただきました。
開催にあたっては、電設業界が元気を出して日本全体を盛り上げていくことが被災地の復興にも繋がり、またそれが私共が今できる最大限の行動であると考え、「元気な日本へ
目指せ復興!」のサブテーマを掲げるとともに、出展者の皆様にも出来る限りライフラインの安全確保に係わる製品等の出展をお願いしたいところです。
主催者と致しましても、2011電設工業展の収益の一部を被災地に対する義援金とし、また、この会場で募金を呼びかける活動を行うこととしております。皆様のご協力をお願いし、電設業界の総力をあげて、復旧・復興の支援をして参りたいと思っております。
このような厳しい状況にもかかわりませず、192社もの多くの企業にご出展頂きましたことは、大変有難く、心から感謝を申し上げます。
今回の震災で、電気はなくてはならない大変重要なものであることが国民の皆様にも広く伝わりました。政府は、今夏の電力需給対策として東京電力、東北電力の管内全域で電力使用量を15%削減することを決め、また、太陽光や風力、バイオマスなど再生可能な自然エネルギーを基幹エネルギーの一つに加えることを表明しています。
電設工業展には、数多くの省エネ関連製品が出品されており、低炭素社会に向けて大きく貢献できるものと自負しております。同時に電設業界の果たす役割の大きさを実感しているところです。
主催者と致しましても、省エネルギーに少しでも貢献すべく、主催者コーナーで使用するスポットライトについては、消費電力の少ないLED照明を使用することとしています。
また、当電設工業展のメインテーマでもある「低炭素社会」への取り組みとして、昨年に引き続き「グリーン電力証書システム」を導入しております。これは、グリーン電力の発電所から遠く離れた場所でも証書を購入することで、グリーン電力を使用したとみなすことができる権利のことで、電設工業展期間中に使用される約6万kWh全ての電力を、自然エネルギーであるバイオマス発電で運用することとしております。排出係数に換算すると、約20トンと微力ではありますがCO2削減に貢献して参りたいと思っております。
また、関係機関のご協力により、太陽光や風力等の不安定な自然エネルギーを安定的に供給するためのスマートグリッドを紹介するパネル展示を行うなど、「低炭素社会」に向けた最新の取り組みをご紹介できるものと思っております。
ここで、電設工業展に関連する催しについてご紹介いたします。
今年で50回目となる「製品コンクール」には47社の製品がエントリーしていますが、各社の技術力を競い合っていただき、優秀な製品には国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞などの9つの賞を用意しております。これらの新製品は電設技術の礎を築き、これからの新しい時代に向けて幅広く利用されていくものと期待されます。
この他、電設工業展に先立ち5月1日から出展各社の製品情報や企業情報を公開する「電設工展展PLUS」や、「低炭素社会に向けた企業の取り組みについて」を演題とする「特別講演会」の開催、各社の最新技術やノウハウを紹介する「出展者プレゼンテーションセミナー」、スタンプラリーによる抽選など、出展関係者や来場者の方々にとって興味のある企画を実施いたします。
また、月に30万回ものアクセス回数があり好評をいただいている『電設資材電子カタログ(JECAMEC)』の体験コーナーを設けるほか、当協会の人材委員会、技術・安全委員会の取り組みや成果物を紹介するコーナーを設けておりますので、ぜひ西2ホールの各コーナーにお立ち寄りいただきたいと存じます。
最後になりましたが、この電設工業展を成功させるため、実行委員会の皆様方には、企画、準備段階から大変ご尽力をいただきました。特に今回は、東日本大震災があり、開催に向けて大変ご苦労されたことと思います。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
本日から始まる3日間に、多くの方々のご来場を期待するとともに、本イベントが成功裏に終了し、「元気な日本」に少しでも貢献ができますことを祈念して、ご挨拶といたします。