現在、一般的な自動工作機械にUPSを採用している設備は少ない。生産ライン稼働中に電源トラブルによるラインの停止が発生した場合、作業途中で止まってしまった設備の復旧(自動運転条件の確認及び自動運転の再投入)やワーク(生産中の製品や構成部品)の取り除き等、復旧するための多くの工数が発生する。また復旧作業中は生産が停止してしまうので、その日の生産目標達成に遅れが生じ、作業工員の残業等で不要な人件費も発生する。
プラント系設備の場合は、各設備の状況(温度や水位、薬品濃度等)、検査機等の場合は、製品の検査データ等のロギングを行っている場合があり、停電の間このデータを消失してしまう。検査機や耐久試験機等の場合はどうだろう。
1回の検査・試験時間は、数十分から数日かかることもあり、停電により途中で検査を停止してしまうと、再度やり直しになり莫大な時間を無駄にしてしまうことがある。UPSを設備に導入することでこれらのトラブルを回避することが出来る。機器や機械の構造にもよるが、電源トラブル時に保護されている機器を安全に停止させるために、UPSは重要なバックアップ電源となりうるのである。