横河電子機器(東京都渋谷区千駄ヶ谷5―23―13、TEL0463―84―8796、廣見公正社長)は、プリント基板の製造工程で基板に付着した薬液を、少量の洗浄水で洗い流すことができるプリント基板洗浄機「エコリンジェット」=写真=を7月1日から発売する。価格は400万円からで、初年度1億円、3年後10億円の売り上げを計画している。
新洗浄機は、独自開発のノズルを有するシャワー管と、新流水制御方式を実現する制御部を切換弁で構成し、流水をプリント基板に連続的に当てて表面とスルーホール内部を洗浄する。
また、現在使用中の洗浄槽に追加装備する方式のため、新規の洗浄工程ラインや、既存の生産ラインの洗浄工程にも適用できる。さらに、必要最小限の水で汚れを洗い流すため、大幅な節水を実現でき、排水量も最初の洗浄で汚れを排水するため、少なくて済む。
そのほか、大量の貯水の必要がない2槽式洗浄も可能で、省スペースに貢献。
同社は40年にわたってダイレクトクリーン方式の洗浄機で、食器洗浄機事業を行っている。ダイレクトクリーン方式は流水制御と給排水制御からなる洗浄のコアシーズで、このコアシーズを現在大量の洗浄水が使用されているプリント基板の生産ラインに適用すべく、3年前から開発を続けてきた。食器と比較するとプリント基板は平らでシンプルな形状をしているが、面積が広く、小口径の穴(スルーホール)があり洗浄しにくいという課題がある。同社では、この課題を解決するために新たな流水制御方式で、省洗浄水率85%を超える性能を実現した。