日立製作所は、省電力・高集積なデータセンタ環境を実現する「モジュール型データセンタ」の冷却システムとして、28℃以下の外気を利用してサーバやストレージなどのIT機器を含めたデータセンタ設備全体を冷却できる「外気導入冷却システム」の販売を開始した。このシステムにより従来の空調方式と比べ空調にかかる電力コストを最大88%削減できる。「外気導入冷却システム」は、1年を通して冷涼な地域での運用に適したシステムで、フィルターや加湿装置などで外気に含まれる粉塵、化学物質などの除去や湿度調整を行うことで、IT機器や設備全体を冷却できる。
外気がIT機器の冷却に適温である12℃以上28℃以下の場合には外気を直接取り込み、外気の温度が12℃よりも低い場合はサーバからの排熱を外気と混合し適温に調整してセンター内を冷却する。これにより、空調システムにかかる電力消費を削減するとともに、データセンタ内のサーバルームや企業のマシン室などといった既存の建物内への構築に加え、屋外にプレハブ型のデータセンタとして構築することもできる。
同社では、データセンタ省電力化プロジェクト「CoolCenter50」に基づき、「モジュール型データセンタ」をはじめとした省エネルギー技術・製品の開発を進め、さらなる消費電力の低減を実現するデータセンタの提案、導入を積極的に進めていく。