日本配電制御システム工業会(JSIA、盛田豊一会長)は、制御盤製作の省コスト化に関する調査研究の一環として、ねじレス(スプリング)接続端子台による電線接続作業工数の測定検証実験を行う。現在、配電盤、制御盤に使用されている端子台は、ねじ式が圧倒的に多いが検証結果しだいでは端子台の接続方式に大きな影響を与えるだけに、端子台メーカーも今後の製品開発が左右されることから注視せざるを得ない。
日本配電制御システム工業会は、顧客へ取り引き正常化を進める一方、品質向上、製造コスト削減を業界共通の課題として取り上げ、製造の標準化などに取り組んでいる。
制御・情報システム部会(田原博部会長)は、昨年度から制御盤の省コスト化の調査研究に取り組んでいるが、今年度はトータルコスト削減につながるとして、配線・接続の合理化について中間報告をまとめる方針である。
そのため、ねじレス接続端子台への電線接続作業工数測定検証実験を7月にも実施する。検証はねじ式との工数比較材料になるため、結果の内容が注目される。
制御盤で省コスト化にねじレスが有効とされると、ねじレス端子台の普及につながる可能性が強い。また、電線容量が大きい配電盤では電気設備技術などで慣例を変えることに時間がかかるものの、ヨーロッパでは95mm電線適合の200A1000Vクラスのネジレス端子台が使用されており、日本でも検証実験しだいでは配電盤にも影響を与えそうである。
現在、端子台の年間出荷額は300億円を超える。このうち、配電盤、制御盤などに使用される端子台は120億~150億円と推定されている。
端子台の接続方式はねじ式、ねじレス式(スプリング式)、ボルト式などがあるが、ねじ式が市場の80%を占めている。特に、配電盤類はねじ式端子台を採用している。制御盤でねじレス式が、近年は見受けられる程度である。
欧米では、日本とは異なり、ねじレス式が主流になっている。