近畿電子部品卸商組合(KEP、岡本弘理事長)は「2011年度定時総会」を、ホテル日航大阪で8日開催した。
定時総会は、10年度の事業報告と収支決算報告・会計監査報告・剰余金処分案、11年度の事業計画案・収支予算案が議案として出され、すべて承認された。また、今年10月に予定されている香港・華南エレクトロニクス視察ミッションについての報告も行われた。
総会の冒頭あいさつに立った岡本理事長は「東日本大震災で被害、被災を受けられた皆様に心より哀悼の意を表するとともに、心からお見舞いを申し上げる。大震災により、特に東北地方に集中していた基幹産業が壊滅的な被害を受けたが、懸命な努力により予想以上に早い復旧が行われている。一方、大震災による原発事故で電力供給の滞りが予想され、企業の操業に影響及ぼすものと思われる。
大震災が起こるまで一部で景気回復の兆しが指摘されたが、震災で後戻りし、完全な経済回復にはさらに時間がかかるものと予想される。先行きは不透明であるが、いつまでもこのような状況に甘んじることはできず、我々も英知を発揮するとともに、このような時こそ物づくりの大切さを認識し、サービスの向上に努め、広く社会に貢献することが大切な使命である」と述べた。
また、来賓を代表して全国電子部品流通連合会の渡邊唯志副会長は「大震災によりメーカーのサプライチェーンが寸断、加えて原発事故による電力需給の逼迫などで国内の生産力は大きく衰退したが、当初の予想よりも早いスピードで復旧が進んでおり、明るい話題と言えるだろう。サプライチェーンでの不安要素はあるが、スマートグリッドや太陽光・風力発電など、省エネをコンセプトとした新しい需要が拡大しており、我々の業界に大きく寄与するだろう」とあいさつした。
その後、特別講演では、日本経済新聞社客員コラムニストの西岡幸一氏が「大災害後の産業界と経営」をテーマに行った。