三菱電機は、レーザー加工機の新製品として、駆動部から発振器を非搭載とすることにより、標準ワーク用のレーザー加工機の能力と同等の高速・高精度加工を実現した発振器非搭載型大形レーザー加工機「ML6030XL―45CF―R」=写真=を10日から発売した。標準価格は1億1100万円。年間40台の販売を計画。
新製品は、発振器を非搭載したことで軽量となり、加工中の軸移動の加速度が向上するため、同社従来機種に比べ早送り速度がY軸2倍・Z軸4倍になり、加工時間を短縮できる。
また、光路の密閉度を高めクリーン度を向上することで、ビーム品質が向上し、大型機ながら高精度加工を実現するとともに、光路の長さを一定に保つ機構の採用で、加工テーブル全域での安定的なビーム照射を行える。しかも、加工材質に応じてレーザービームを自動で最適化することで、加工品質を向上し、最新技術の搭載により、課題であった加工スタート時の穴あけ時間の短縮化も図れる。
さらに、設置面積も従来機種比20%削減でき、省スペース化に繋がるほか、ストッカシステムとの組み合わせにより、長時間連続運転が可能になっている。
大形レーザー加工機は、従来機ではレール上を発振器搭載の光走査部分(駆動部)が走行しながら大型のワークを加工しているが、発振器を搭載した重たい光走査部分が動くため、標準的な定尺材加工用のレーザー加工機と同等の高速・高精度加工をする事が困難だった。近年では資材の購入コスト削減と工程数削減による製造コスト削減策の一環で、溶接レスを目指したワークの大型化が進んでおり、対象となる業種も造船などから建機・車両関連などへ拡大する傾向にある。