2.アメリカの軍事ロボット
1961年アメリカでユニメーション社が世界で初めて産業用ロボットを開発し、1969年川崎重工業がそれを技術導入して、日本で産業用ロボットの製造が始まった。その後、日本で産業用ロボットは急速に発展し世界市場の多くの部分を獲得したためアメリカはこの分野から殆ど撤退した。アメリカのDARPA(DefenseAdvancedResearchProjectsAgency)はアメリカ国防省の軍事用新技術開発を行う機関であり、1958年に設立され240人の人員を有し、年間予算は約32億USドルである。設立のきっかけは、1957年に旧ソ連が世界で初めて人工衛星スプートニクの打上げを成功させたことにアメリカとして対抗するものであった。近年は写真3に示すような広範囲にわたるロボット開発を行っている。1958年にはアメリカ航空宇宙局(NASA)も同時に設立されている。1960年代には核弾道ミサイルの開発が進み、米ソ両国の宇宙開発戦争に突入した。
同時期に、石油資源をめぐり中東戦争が中近東で勃発し、尾を引いている。9.11のテロ後には、大統領直轄でHomelandSecurityが設立され、情報通信技術を基盤として国家安全保障の課題に取り組んでいる。ここでも最新の技術を基にしたロボット及びその関連基準作り等をオブジェクト指向のUMLを推進するOMG等を通し実施している。
安全に関しては、アメリカ国防省が軍事品の調達目的のために1969年に設定した軍事規格MILStandard882,"SystemSafetyProgramRequirements"/"StandardPracticeforSystemSafety"が策定され安全マネジメント、設計要求、妥当性検証と評価等を製品の全ライフサイクルの概念を含めSystems
Engineeringの観点から包括し、欧州機械安全規格の体系へも影響を及ぼした。時期的には前述のミサイル開発と並行している。アメリカの軍事技術は、当時のソ連との宇宙開発競争並びに核開発競争が背景となって、そこに最新の科学技術の知見並びに国家予算が重点的に投入されてきた。(つづく)