三菱電機は、FAシステム事業のグローバル推進体制を強化する。
中国・東アジアに加え、中東欧や南米など新興国市場への足場も築き、事業基盤を強化する。
同社のFAシステム事業の製品は、シーケンサやサーボモータ、インバータ、表示器、配電制御機器を始め、レーザー加工機、NC、ロボットなどがある。
日本の自動車やFPD(フラットパネルディスプレイ)などのユーザーを中心に海外への生産シフトを強めており、中国、台湾、韓国などのFA関連市場が大きく拡大している。同時に、これらの国のローカルユーザーも大きく成長している。
こうした市場の変化に対応し、同社では、「強い事業をグローバルでより強く」の方針で取り組んでおり、今年7月から中国・上海にFA・省エネシステムの開発・設計会社とベトナムに総合販売会社を設立し営業を始めた。さらに、来年12月からは中国・常熟でFA機器の製造・販売会社が営業を開始する。
インドではすでにバンガロールで昨年11月から総合販売会社が営業を始めており、現地の製造業や社会インフラ向けへの拡販に取り組んでいるなど、中国・アジア地区での取り組み体制を強化している。
新興国の中東欧やブラジルなどでも、現地に進出している日系企業を足がかりに営業を強めていく方針を固めている。
同社のFAシステム機器を含めた産業メカトロニクス事業の売り上げは2010年3月期で9270億円となっており、今期は9800億円を目指している。このうち約半分をFAシステム機器が占めている。
同社では、2015年度までに中国で5000億円(10年度比45%増)、インド750億円(同3倍)まで売り上げを伸ばし、海外売り上げ比率も40%(10年度34%)まで高める方針である。