東京都電機卸商業協同組合(TEP、廣瀬芳重理事長)は、流通近代化委員会(川鍋季明委員長)と青年委員会(藤木正則委員長)の主催で、「震災防災セミナー」を全国家電会館で20日開催し、約60人が参加した。
3月11日発生した東日本大震災は、商社にとっても緊急時への対応のあり方を考える上で大きな教訓になった。今後の事業継続や従業員の安全確保の点からも検証しようと急きょ開催となった。
はじめに川鍋委員長が、同氏が社長を務める三共社の防災マニュアルと事務所内の地震対策への取り組み状況を紹介した。震災当日はマニュアルに基づいた行動により、大きな被害に繋がらなかったとして、「日頃から地震が起きることを想定して訓練を行っておくことが重要である」ことを強調した。
続いて、フォルタレーザー建築設計事務所の田川尚吾代表が「安心できる耐震構造についてのやさしい話」と題し、建築基準法制定の背景と、実際の耐震対策のギャップを専門家の立場から解説した。
その後、TEPが東日本大震災後会員向けに行った緊急アンケートの結果が、山岸設計事務所の山岸祥一郎社長から報告された。地震の発生で電話などの通信のトラブルと、コンピューターシステムの障害が大きな課題としてクローズアップされた。
特に、商社としては物流システムの安全を確保する点が重要で、コンピュータのデーターバックアップや免震対策を日頃から行っておくことの必要性を強調した。