河村電器産業の「接触部過熱検知機能付ブレーカ」は、2011電設工業展製品コンクールで「経済産業大臣賞」を受賞した。同社の製品はコンクールで6回連続の受賞となった。
東京消防庁の調査によると、電気火災の原因は、放火を除くと最も多いのが「電気設備機器」という。さらに電気設備機器による火災を見ると、「接触部過熱」が一番の要因で、コード短絡やトラッキングよりも多い。
そこで、同社では「経年劣化によるねじの緩み」や「ねじの締め付け不良」など『ねじの緩みから発生する電気火災』を未然に防止できる新技術を生かして今回のブレーカを開発した。
新技術では、従来、検出が難しかった接触部の過熱現象をアーク放電の発生メカニズムから解明している。圧着端子、電源座間の接触応力が減少し、急激な変化が起きた時の異常電位を検知することで、接触部過熱が検出可能となった。
また、従来の端子構造では、ねじが緩むと圧着端子と電源座間にねじを介することになり、正確な電位が検知できなかったが、新技術による端子構造では、電源座とねじを「絶縁ナット」で絶縁することで、ねじが介入せず、正確な検出が可能となった。ねじを通らないことで、異常発熱もない。
こうして、接触電圧が指定した電圧以上の時や、その電位が累積でどの程度の時間発生したかを判断してブレーカが作動する。
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