開閉制御装置の2010年度生産額は、前年度比1%増加の5936億円となった。昨年6月から続いた前年同月比増加は、9カ月で止まった。3月の東日本大震災で配電制御システムメーカーが被災したことによるもの。製品別では監視制御装置の全体に占める比率が45%にまで高まった。
開閉制御装置の10年度生産は、4~5月は前年同月比で94%台であったが、6月以降は持ち直し今年2月までプラスを維持してきた。特に、1月110・2%、2月107・1%と伸びており、3月も2桁の伸長が見込まれていたが、3月11日の東日本大震災により生産の減少を余儀なくされた。
東北地区は配電制御システムメーカーが多く存在し、生産規模は全国出荷額の15%を超える。それだけに、大震災による被災企業が10社以上に達し、3月の東北地区の出荷額は約4割減少したものと見られる。
大震災の影響は6月現在も続いている。被災企業は順次生産を再開しているものの、PLC、表示器、コネクターなどの機器類の不足により配電制御システムの製造が滞っている。生産の正常化は秋口以降になりそうである。開閉制御装置生産を製品ごとに比較すると、変動が出ている。
監視制御装置は09年度41・8%から10年度44・9%に増加し、住宅用分電盤は横ばい、そのほかの製品群は減少した。特別高圧・高圧配電盤は09年度16・1%から10年度15・0%、低圧配電盤は10・5%から9・8%、産業用分電盤は9・3%から8・9%、住宅用分電盤は4・4%で変わらず、その他の開閉制御装置は17・9%から17・0%と減少した。今年度は大震災の復旧・復興需要が出てくるため、この比率は変わりそうである。