日本スペリア社(大阪府吹田市江坂町1―16―15、TEL06―6380―1121、西村哲郎社長)の鉛フリーはんだ「SN100C」が、このほどオーストラリアのクイーンズランド大学(UQ)ITEE学部(=情報技術・電子工学部)の電子工学ラボでの教育実習用はんだに採用された。
採用にあたり同社は、教育用であること、UQが長年の共同研究のパートナーであることなどから無償で提供することになった。
同学部は、1年生から4年生まで学生全員にはんだ付けの実習プログラムがあり、さらに最終学年では卒業研究として、学生自ら設計した電子回路のはんだ付けの実習作業がある。
実習には錫―銀―銅組成(Sn―3Ag―0・5Cu=SAC)の鉛フリーはんだ、もしくは錫―鉛はんだが使用されていたがSACははんだ付けが非常に難しく、熟練していない学生には不向きであった。そこで同学部スーパーバイザーであるジョン・コールバック氏が、電子工学ウェブサイトで様々なはんだ情報を入手するうち、錫―銅―ニッケル+ゲルマニウム組成のSN100Cの優れた特性を知り、教育実習用はんだとして採用したもの。
偶然にもUQは長年にわたる同社の研究パートナーであることから、UQ側窓口の野北和宏准教授(機械鉱山工学部)が、研究室に保有しているやに入りはんだSN100C(030)を提供。SACと異なり、錫―鉛と同等、あるいはより優れた作業性であることが実感された。しかも扱いやすく、しっかりはんだ接合され、表面の光沢が非常に美しいことも確認された。
提供されるはんだは、やに入りはんだSN100C(030)と、ハロゲンフリー・ソルダペースト「SN100C
P603」。
同学部学生は、豪州の中でも優秀であり、多くの学生が卒業後、同国内外のトップクラスの企業や研究機関で活躍している。
同社では「在学中にSN100Cの優れた特性を知ってもらうことが将来のブランド強化につながる。今後も様々なチャンネルを通じSN100Cの普及活動に取り組んでいきたい」としている。