オムロンは、分散型発電の発電設備の出力を系統商用ラインに接続する多数台連系時の単独運転防止技術「AICOT」を搭載した、パワーコンディショナ「KP55K(5・5kWタイプ)」=写真=を7月に、「KP30K(3kWタイプ)」「KP40K(4kWタイプ)」を今年秋頃に発売する。同時にカラーモニター「KP―CM2」を7月に発売する。すべてオープン価格。
販売目標は3年間累計でKP55K5万台、KP30K/KP40K30万台、カラーモニタ10万台。
パワーコンディショナは、太陽電池モジュールで発電された直流電流を、家庭で使用できる交流電流に変換し、システム全体の運転を自動管理する。
同社の新パワーコンディショナは、太陽光発電システム(PVシステム)が大量に導入された住宅地域・ソーラータウンのように、PVシステムが局所集中的に連系するアプリケーションを可能にした技術、AICOTを搭載した国内初のパワーコンディショナ。
KP55Kは、この多数台連系に対応した新認証制度(2011年6月)の第1号機として登録された。
従来、複数台連系時は、膨大な設備と時間が必要な単独運転試験をする必要があったが、新製品は単独運転試験をすることなく短期間で電力会社との連系協議を完了することができ、配電系統の安全を担保するための追加設備の投資が大幅に削減できる。現在、PVシステム同士の干渉防止のため、区分開閉器単位で最大、昼間最低消費電力70%以下の定格発電容量にする発電制限の運用(7割ルール)がされているが、同コンディショナは7割ルールが適用除外でき、設置可能容量を大幅に拡大できる。
また、PVシステムを複数台連系した場合、PVシステム間の単独運転検出機能の相互干渉による検出時間の遅延や、同検出機能による系統への影響、誤検出による一斉停止、高低圧混触事故時の高速動作の必要性などの課題があったが、AICOT技術は、これらの課題を解決し、PVシステムの多数台連系・複数台連系を可能にする。特許取得済み。
小型・薄型のスリムなデザインを維持しながら、最大入力電流と最小動作電圧の改善によりシステム設計の自由度を高めた。さらに、発電効率を1%改善、動作時に発生するスイッチングノイズが軽減できる。
カラーモニターKP―CM2は、省エネガイド機能などを継承し、薄型デザインと高精細なVGA5・7インチ大画面液晶を採用。
システムの運転状態を表示するナビモードのほか、エネルギーレポートなどの内部データをパソコンで読み出すことができ管理が簡単である。
LEDバックライト採用で長寿命と消費電力の削減を実現。また、CTセンサの設定方向を間違えても、配線を変えずに画面設定で修正が可能である。