外部雷保護担当の企業では、直撃雷から太陽光モジュール設備を守るため、太陽光モジュール専用避雷システムなどの保護対策製品の販売と設置工事を推進している。
内部雷保護担当の企業では、太陽光発電システムの直流側設備(接続箱、パワーコンディショナなど)を、雷の被害から保護する太陽光発電システム用SPD(サージ保護デバイス)や、信号回線用SPD、太陽光発電装置免雷接続箱、磁気カードに落雷電流を記憶させる雷記憶カード、キュービクル用アレスタ、RS485回線用SPDなどの製品提供を行っている。
系統安全では、直流回路の地絡を検出し、極性の判別を高精度・高感度に行う直流地絡継電器、プラグイン式の分離型直流地絡電流継電器、多回路型同継電器、回路ごとの絶縁抵抗値を計測し、同値が低下すると警報で知らせる直流回線別絶縁監視装置、直流漏電警報付き配線用ブレーカ、往復の負荷電流の僅かな差電流を検出する貫通型直流地絡変流器、作業者の安全用に交直両用検電器など、安全な電気の流れを制御・監視、機器を点検する数々の製品提供を行っている。
雷害対策機器関連の規制緩和では、07年に建築設備設計基準が大幅に改定され、雷保護用SPDについて分電盤などへの取り付け基準が緩和されたことで、SPDの需要が拡大しており、市場拡大へ向け追い風となっている。
これに伴い、避雷器の電源用SPDにおける最大連続使用電圧量が従来の200Vクラス対応から500Vクラス対応までに拡大、従来250V対応機器を2台使用していたケースでは、500V対応機器1台で対応できるようになり、使用者側のコストダウンに繋がっている。
また、最近では海外からの輸入品も増加していることもあり、国内では06年に設立された日本雷保護システム工業会(JLPA)など、各種の雷害対策機器関連の工業会が中心となり、機器の普及拡大へ向けPRや啓蒙活動を活発化させており、拡大が予想される市場に対し万全の体制固めを行っている。
雷害対策機器メーカーでも地域ごとに「雷保護技術セミナー」などを開催し、地域によって異なる雷の活動内容や建築物被害の実例紹介、さらにその対策などを紹介しており、メーカー側の積極的な姿勢が顕著になってきている。
また、製品開発では、雷サージのカウント機能とSPDの寿命を予知する機能を一体化した電源用SPDも開発されている。従来、現場での判断が難しいとされていたSPDの寿命判定機能を設けることで、効率の良いメンテナンスが可能となり、安全性と保守性双方の向上が図れる製品として注目されている。
こうした新製品のほかにも落雷被害の増加に伴い、関連する電子機器・システムを雷害から保護する各種の対策製品の開発が進んでおり、雷害対策機器市場は今後も注目されるだろう。