モータ、電源、電気制御機器、EMC・ノイズ対策機器などエレクトロニクス・メカトロニクスに関する要素技術の10分野を集めた専門技術展「TECHNO―FRONTIER(テクノフロンティア)2011」(主催=社団法人日本能率協会)が、7月20日(水)~22日(金)の3日間、東京ビッグサイト(東1~3ホール)で開催される。出展者数は、海外5カ国・1地域を合わせて422社929小間。開場時間は午前10時~午後5時。入場料は3000円(ただし、事前登録証及び招待状持参者、学生は無料)。
同展はものづくりを支える最新要素技術と開発設計・生産技術が一堂に会するアジア最大級の専門トレードショー。「第29回モータ技術展」「第20回モーション・エンジニアリング展」「第4回メカトロニクス制御技術展」「第26回電源システム展」「第3回バッテリー技術展」「第24回EMC・ノイズ対策技術展」「第2回環境発電技術展」「第20回ボード・コンピュータ展」「第13回熱設計・対策技術展」「第6回設計支援システム展」と10の専門展が集結する。
「モータ技術展」は、民生用から産業用まで、小型(小形)・精密モータから中・大型の各種モータ、制御技術、計測・解析技術、材料、素材など、モータに関するあらゆる最新製品・技術、応用製品が展示される。自動車の電動化に伴う車載モータの需要増加に加え、レアアース確保問題、モータ・ドライバの高効率化の観点からもモータへの関心が高まっている。
「モーション・エンジニアリング展」は、モーション・メカニズム、機械要素、アクチュエータ、モーション・コントロール、モーション・センサなど、駆動・伝達・制御の最適ソリューションを一堂に集めた専門技術展。
製品開発において省エネ、高効率、小型化、高機能が求められている中、モーション技術領域は今後ますます大きな意味を持つ分野として期待されている。関連展示会との同時開催による相乗効果で産業機械、自動車、精密機器、電機をはじめとしたあらゆる業種のエンジニアにとって絶好の機会といえる。
「メカトロニクス制御技術展」は、電機・電子機器、自動車、輸送機器、産業機械等あらゆる分野の制御技術、及び制御に関わるシステム・機器を一堂に集め、メーカ・ユーザ間のビジネスマッチングを実現する場。駆動・伝達・制御が一堂に集まるメカトロニクス・トータルソリューションを構成する展示会の一つとしてモータ技術展、モーション・エンジニアリング展と同時開催することにより一貫したソリューションニーズに対応している。
「電源システム展」は、スイッチング電源、パワーコンディショナー等による電力変換や、UPS、キャパシタ等による電力安定供給に関する最新技術が一堂に集まる、日本で唯一・最大規模の専門技術展。今回より、ワイヤレスを含む給電技術をクローズアップし、電源システムの更なる可能性について、出展・来場者間の技術交流とビジネスマッチングを促進する展示会となっている。
「バッテリー技術展」は、二次電池とその構成部材、評価・測定機器等の専門技術展。二次電池の用途は今後、自動車以外にも、産業機械や民生品、さらには再生可能エネルギーの蓄電システム等、役割はさらに拡がっていく。同展では現行の二次電池やその構成部材・評価装置等に加え、今後の新しい用途とそれらの必要特性についての研究成果も披露し、技術者との間で「二次電池の現在と将来」に関する技術交流の場を目指している。
「EMC・ノイズ対策技術展」は、国内唯一の電磁波ノイズ対策に関する専門技術展で、電磁波ノイズ対策部品・材料をはじめ、計測機器、測定施設、EMCコンサルティングまで、EMC・ノイズ対策に関連する最新技術が一堂に展示される。
「第2回環境発電技術展」は、国内唯一の環境発電(エネルギーハーベスティング)に関する専門技術展で、光や熱、電磁波、振動、人の動作などから電力を得る環境発電技術・製品・部品に焦点を当てる。同時開催するシンポジウムと合わせ、各種セットメーカの開発・設計技術者との商談及びテストマーケティングの場、技術交流の場として最適。
「ボード・コンピュータ展」は、ボード・コンピュータ及び周辺機器を中心に組込みシステムの関連機器を情報発信する専門展示会として、ボード・コンピュータ業界から広く認知されている。他の関連展示と同時に見られることで、具体的な課題解決の場として活用できる。
「熱設計・対策技術展」は、熱対策製品・システムをはじめ、熱対策部品・材料・素材、熱対策ソフトウェアまで、熱対策に関する最先端の実用技術を一堂に展示する国内で唯一の専門技術展。熱による機能障害や寿命低下、変形などの熱トラブル対策に関心の高い、各種セットメーカの開発・設計技術者にとって見逃せない内容となっている。
「第6回設計支援システム展」は、設計支援システム、評価・受託など、ものづくりに必要不可欠な製品・ソリューションを展示する。
今回は、集中展示として代替材料ゾーンに加え、東日本大震災の発生に伴う緊急企画コーナーとして、「やるぞ日本!
~今こそ魅せよう日本の力」のテーマのもと、東日本大震災で打撃を受けたものづくり産業の現状打破と、イノベーション創発の促進に向け、『製造業向け!事業継続のための創エネ・省エネ・蓄電コーナー』を設ける。
震災の影響を受けて電力使用削減下での継続的な事業展開が緊急の課題となっている中で、製造現場の省電力化・小型効率化・創エネ・蓄電による、リスクに備えたエネルギーマネジメントの推進が事業継続の要として急務となっていることに対応した。同コーナーでは45社から、『エネルギーを「創る」「蓄える」「分配する」「消費を抑制する」「安定して供給する」』の5つの観点から、太陽光発電システムや各種蓄電池、UPSなど、関連する技術・製品展示とセミナーが行われる。
また、「自動車向け脱・省レアアースモータ最新研究成果展示コーナー」では、次世代自動車開発のキーデバイスとして注目されている脱・省レアアースモータの最新研究成果について、展示とデモンストレーションを行う。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「次世代自動車高性能蓄電システム技術開発(Li―EADプロジェクト)」に採択された大学を中心に、最新の研究成果が一堂に集められ、脱・省レアアースモータ搭載の電気自動車の実機も展示予定。
さらに、ニンテンドー3DS、iPad2、GoogleTVなどの製品を分解展示する「来て・見て・分かる対策技術」コーナーでは、セットメーカ来場者の「実際の製品にどのような対策がされているかを見てみたい」というニーズに応えた。ニンテンドー3DS、iPad2、GoogleTVなど話題の製品をノイズ対策等の切り口で分解展示するとともに、デンソーの技術者によるノイズ対策苦労話や、「ニンテンドー3DS」裸眼3D映像の実現技術、東アジア各国のLED照明設計思想の違いなどを聞ける無料の「解説セミナー」を併設する。
そのほか、「ワイヤレス給電技術デモゾーン」では、
昭和飛行機工業、スミダコーポレーション、東光、TDKグループが参加し、Qi規格の登場で今後ますます注目を集めるワイヤレス給電技術で、複数の方式の給電技術を参加4社によってデモンストレーション・展示する。
一方、展示と並んで毎回注目されている技術シンポジウム・会議も展示内容とリンクする形で、11のコースで合わせて66のプログラムが予定されているほか、出展者セミナーも、10社・団体から12のテーマで連日行われることになっている。さらに震災復興支援企画のひとつとして、東北経済産業局による特別講演会が、20日午後1時から企画されている。
未曾有の大震災からの完全復旧には、中長期的な支援の取り組みが必要として、まず「現地のいま」を広く知ってもらうことを目的に、第一線で産業の支援にあたっている東北経済産業局総務企画部企画室長黒瀬芳紀氏が「東日本大震災からの地域産業の復興にむけて」と題して行う。