サンワテクノスは、8月1日付けで中国・瀋陽市に瀋陽事務所を開設する。現地日系企業の顧客サービスが狙いで順次、中国ローカルユーザーの開拓も進める。所長は大連事務所長が兼務で、社員2人でスタートの予定で、初年度3億円、将来的には10億円の売り上げを目指す。
瀋陽事務所は、同社全額出資の現地法人上海サンワテクノスの瀋陽分公司として開設するもので、上海サンワとしては7カ所目、中国全体では9つ目の拠点となる。
同社はグローバル市場の開拓を意欲的に進めているが、特に中国市場の開拓に注力しており、2011年3月期では、海外売り上げの175億円のうち、中国は約70%の126億円を占めている。今年度は前年同期比約35%増の170億円、中期計画最終年度の13年3月期には220億円と10年度比約75%増まで拡大を目指している。
「中国には日系企業などの進出が著しく進んでおり、生産だけでなく現地でのR&D拠点の開設の動きも活発化している。瀋陽には、安川電機のサーボモータ工場があることからそのサービス充実を重点にしていくが、ゆくゆくはローカルの大きな工作機械メーカーなどへの拡販にもつなげていきたい」(山本勢社長)。
営業拠点も、現在は華南地区が多いことから「12年ぐらいには北京や天津など華北地区での開設も計画していく」(山本社長)。
なお、同社では中国でのソリューションニーズに対応するため、07年から「上海メカトロセンター」を開設しているが、昨年11月にはリニューアルをしてスペースを約2倍の950平方メートルに拡張した。
同センターにはSE部隊が駐在し、安川のサーボモータやインバータ、オムロンのPLCやセンサーなどの販売支援として、単品からシステム提案、さらにはサーボモータのハーネス加工や出荷再検査、デモ機による教育・トレーニング、修理・メンテナンスなども行っている。