オムロンは、新開発のファイバレーザ発振器を搭載し、従来のレーザマーカでは対応が困難だった、金・銀・銅など高反射材への高品質な微細マーキング・加工を可能とするレーザマーカ「ファイバレーザマーカ形MX―Z2000」=写真=を発売した。
レーザマーカのマーキングや薄膜剥離・切断などの加工品質は、レーザ発振器の性能に大きく左右される。また、高品質なマーキング・加工は、材料や目的に応じパルス幅(レーザ光の照射時間)の増減による熱の加え方をコントロールする必要がある。
MX―Z2000は、世界初となる独自のフレキシブルパルスコントロール技術によるファイバレーザ発振器を搭載。パルス幅の列(数)を増減することで、熱を加える時間を7・5ns~300nsの範囲で調整し、材料や加工用途に応じた最適な加工・マーキングを実現した。
これにより、従来のレーザマーカでは対応困難だった微細なマーキング/加工と、金・銀・銅など加工が困難な材料への高速/高品質なマーキング・加工が可能となった。
ファイバレーザの最大繰り返し周波数は、世界最高レベルの1MHzで、製造ラインを高速に稼働させながら、ドット密度の高い剥離や切断加工、ムラのないクリアなマーキングを実現。素材に関わらず高速に加工でき、製造ラインの生産性向上に貢献する。
さらに、中心に高いパワーを持つシングルモードレーザを高安定・高品質で出力することで、スポット面積を従来機の70%まで縮小。微細なマーキング・加工を可能とする。
また、縮小したスポット形状でも従来機の2倍に相当する20Wの平均出力を実現。
パワー密度を従来比300%にアップして、対応が困難とされていた高反射材や低吸収材に対しても、微細なマーキングや加工が可能。ワーキングディスタンスは、160~180ミリの範囲で焦点位置が調整可能。マーキング・加工対象の高さが頻繁に変化する場合でも、段取り替え工数が削減できる。
スマートフォン、携帯電話など小型電子部品への微小文字マーキング、小型電子部品の金メッキ部・銀メッキ部のマーキング・部分剥離加工、金薄膜の剥離加工のほか、タッチパネルなどに使用するガラス上の透明導電膜の剥離加工、回路基板上の銅パターン切断加工などに対応する。