オムロンは、拡大するアジア市場に対応するため、2013年度までのグローブ・ステージ内に、中国・上海でのリレー工場の建て替えと、タイ・アユタヤの車載部品工場の敷地を拡大しそれぞれ増産を目指す。さらに、需要が高まっている省エネ・環境関連事業については、省エネソリューションやパワコンなどの創エネに注力し、今期売上高200億円を目指す。
同社は、2020年度を最終年度とする長期計画「VG2020」で、売上高1兆円以上、営業利益率15%以上を目指している。その中でIA事業ではオートメーション事業に注力し7000億円、新興国市場で4000億円、環境・健康・社会インフラ関連で1000億円の売り上げを目指している。
また、長期目標のもと今年度の重点施策として、大震災に対応するための供給責任の完遂、オートメーション事業を中心としたIA事業の強化、アジアを中心に新興国の積極的開拓、省エネ・創エネを中心に環境事業への注力、収益構造改革、人材のグローバル化加速と風土改革を掲げている。
こうした中、今年度に入ってからもFA関係の伸長と、中華圏を含む東南アジア市場での売り上げ拡大は続いており、第1四半期は、工場自動化用制御機器事業のIABが、売上高で前年同期比9・5%増、営業利益も13・2%増と大きく伸長している。また、地域別の売上高では、国内が大震災の影響で同2・7%減少したのに対し、中華圏は14・9%増、東南アジアは13・7%増となっている。
特に中華圏は、マクロ的に自動化のニーズが高まっており、IABを中心に全般的に好調である。機械設備も小さな機械から、大型の繊維機械など需要が右肩上がりとなっている。
こうした中華圏・東南アジアでの市場拡大に対応するため、同社では11年度から13年度までのグローブ・ステージ内で、リレーの生産の上海工場を別な場所に建て替える。車載部品ではタイ・アユタヤの工場の敷地を2倍から3倍に増やし、それぞれ増産を行う計画である。
省エネ・環境関連事業では、激増する節電ニーズに「電力の見える化」で貢献できる電力量モニタなど省エネソリューションのほか、創エネとして太陽光発電などのパワーコンディショナなどに注力し、前期の売上高130億円から、今期は200億円を目指す。