星和電機(増山晃章社長)は、電圧駆動が可能で無極性タイプのインジケータ用途に最適な「モノリシック型LED」=写真=を開発、サンプル出荷を開始した。オープン価格で、初年度販売目標は1億個。
モノリシック(Monolithic)とは、半導体基板に不純物を入れたり、基板上に新たな結晶を作ることで、基板の物理性能を変え電子回路を構成するもの。
半導体基板の物理性能を変えてトランジスタ、ダイオード、抵抗、およびキャパシタを1枚の基板内に作り込み、その表面を薄い絶縁膜で覆い、さらにその上に金属膜で配線し、端子を取り付けて電子回路を構成する。
新製品は、同社が自社で製造する素子(ベアチップ)に、発光素子と抵抗素子を複合的に構成することで、電圧駆動が可能な無極性タイプのLEDとして、世界で初めて商品化に成功した。
このLEDは、5Vの電圧を印加するだけで発光する。従来のLEDでは明るさを調整するために必要であった電流制御回路の抵抗器などが不要となる。
これにより、回路設計の省力化と部品点数の削減が図られ、実装スペースが最大50%低減できる上、明るさのバラツキも低減できる。また、電圧特性は無極性によりAC駆動にも対応する。
動作温度は100度まで対応、厳しい温度環境下でも高い信頼性を発揮することができる。
発光色は、インジケータ用途として汎用性の高い青・緑・赤・白。LEDのサイズは、基板実装タイプ(1608、3528)2種類と、ランプタイプ(φ3砲弾)1種類をラインナップ。
用途は、TV、オーディオ、ホームシアター用機器、HDD機器、エアコン・空気清浄機、家庭用ヘルスケア機器、各種家電製品など。さらに、鉄道関連機器やATM端末、セキュリティゲートなど、今後のインジケータ、パイロットランプなどの用途にも最適である。
5V仕様は、8月1日からサンプル出荷を開始、10月1日から量産出荷を開始する。
12V仕様も今年中に発売する予定である。