LED光源が主流の中で、今後の動向が注目されているのが有機ELである。有機ELを光源として採用して、表示部に画像やメッセージなどを表示させ、しかも1つの表示面で何種類にも切り替えて表示できる。有機ELの持つきめ細かな表示は、テレビのような表示画面を実現できる。
通信機能を搭載することで、画面の変更なども容易に行えるなど新たな発想は、今後のスイッチ市場の動向として注目される。
有機ELは照明機器への展開なども志向しており、生産量が拡大すれば、コスト面でも優位性を発揮することに繋がりそうだ。
その他、ユニークなスイッチとしてバッテリーレスでワイヤレスのスイッチも発売されている。押しボタンを押した時の力を電気エネルギーに変換し、無線信号を制御盤内の受信機に送る遠隔制御の仕組みで、省エネで配線作業が不要など時代のトレンドにマッチしたスイッチとして今後の動向が注目される。
こうした中で、操作用スイッチ市場も大きな転機を迎えつつある。スイッチ市場のグローバル化と国内市場の成熟化が大きく進展していることで、今後の販売戦略にスイッチメーカー間で違いが出始めているからだ。制御機器の総合メーカーでは、スイッチの品ぞろえを強化するメーカーがある一方で、他の機器との相乗効果が薄いとして撤退、または機種の整理を始めているメーカーもある。
これに対しスイッチ専業メーカーの中には品ぞろえ強化を狙いに、照光式スイッチ市場への参入を計画しているところもある。台湾や中国などのメーカーも、品質向上とコスト競争力を背景に日本市場開拓を本格化する動きも予想されている。
照光式スイッチの持つ特徴を活かした市場開拓余地はまだまだあり、特に光源の種類の多様化と高輝度化、多色化などでこの可能性はさらに高まる。
今後も、意欲的な取り組みが継続するのは確実といえそうだ。