東洋技研今10月期売り上げ2桁増海外生産せずに自動化徹底花岡孝社長が方針を語る

端子台大手メーカーの東洋技研(長野県岡谷市長地権現町4―8―7、TEL0266―27―2012)の花岡孝社長は、東日本大震災の影響が心配されたが、今10月期売上高が前期比で2桁増加の見通しにあると語った。

また、日本メーカーとして、顧客の近くで製造販売するとの方針から、海外の低価格品に対抗できる生産システムを構築したことを明らかにした。

花岡社長は今10月期業績について「東日本大震災で被害を受けた多くのお客様が復旧に懸命に取り組まれ、当社も出来得る限り支援をさせて頂いた。大震災による業績への影響を心配したが、お陰さまで売り上げは順調に推移しており、今期売上高は前期と同様に2桁の伸びを見込んでいる」という。「工業用端子台、インターフェイス端子台、ボックス、トランスなど全体に伸長している。端子台、トランスとも新製品が売り上げに徐々に貢献している」として新製品の開発に引き続き取り組んでいく方針。

生産の海外移転はないと明言した。「お客様の輸出機械に使用されることは多いが、直接輸出はほとんどない。そういう意味では、お客様は国内であり、当社は国内生産に徹する。お客様の近くで製造することは、当社の特色である開発に、お客様の声を反映させて使い勝手の良い製品を提供できる」。

今後はアジアで生産された低価格品も進出してくることが予想されるが、「良いものを安く早く提供するのが当社の方針である。海外製品とも十分に競合できる生産システムを構築した。金型から成形、組み立てまで自動化を徹底して行っている。今年に入り最新の成形機を導入、また組み立て専用機を自前で開発し設置した。従業員120人で40億円体制を築いたが、従業員を増やさずに生産増強が可能である」と価格競争にも対応できる。

主力の端子台市場について「マーケットシェア争いの時代に入っている」と見て「ブランド『TOGI』でシェアトップを目指す。そのためにも市場を研究し、当社の位置付けをしっかり出して、市場にマッチした製品を開発し他社と差別化していく」考えである。「具体的には、ばね式端子台やインターフェイスの視点から端子台のシステム化に注力」する。

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