パナソニックは太陽光発電システムに本格参入し国内トップを目指すとの報道に記者が関心を寄せたのは、地域家電店や住宅設備店など関係が深い計14万9000店で販売する姿勢である。家電専門紙の記者によると、地域店に対する支援の力の入れようは並大抵ではないそうである。絆は太い。▼
制御機器業界でも販売代理店や取扱店の存在価値が再評価されつつある。分散生産する製造業、規模の格差が拡大する製造業に対し、自前の営業社員だけで全包囲網的に商いを展開するには、一人当たりの生産性から見ても無理が生じる。商社は製造業の月数万円からの発注にも対応できる。▼
「関西大学次世代経営者塾」の塾生10人と関大経済学部の教授、准教授、社会連携部がサンセイテクノスの物流センター及び南大阪ファームを訪れ、最先端の施設見学と同時に、農作業や共同作業を通して「ものづくりの心」と「人としての心」を育む同社の姿勢を学んだ。参加した塾生は自社のあり方に照らし合わせ自問したのではなかろうか。▼
時代は変わりつつある。単なる物流が求められる世の中ではなくなった。大震災や原発事故がその流れを速める。商社は「モノの商い」に加え「心の商い」へ舵を取っている。メーカーと商社の間も従来にも増してモノと心の関係を深めてもらいたいものである。それが、業界活性化と市場創造の早道につながる。