サーボモータシステムといえば、エンコーダ、ドライバ、モーションコントローラ、PLC(FAパソコン)、I/Oターミナル、通信機能など複雑な組み合わせが一般的である。ところが、これらの機能全てを一体化した、いわば頭脳と神経に相当する制御系を備えたモータがあった。多摩川精機が販売しているモータ付きPLC「スマートモータ」である。
モータシステム構築に必要な制御系機能を全て備えているため、タッチパネル、スイッチ、センサーなどに直結できる賢いモータである。
例えば、従来はタッチパネル↓PLC↓モーションコントローラ↓ドライバ↓モータを組み合わせたシステム構築について、スマートモータを使用すればタッチパネルに1本のケーブルを接続するだけで済む。しかも、タッチパネルは細かな指令を与える必要もない。スマートモータにあらかじめ簡単なプログラムを書き込んでおきタッチパネルが、そのプログラムのサブルーチンを指定して実行させたり、具体的コマンドを与えたり、必要に応じてスマートモータ内の任意のパラメータを書き換えたりできる。もちろん、センサーやスイッチ類もスマートモータのI/Oポートに直結してしまえば、簡単にシステムが構築できる。
これほど単純化されたシステムは、技術者にとって設計から大幅な手間が省けるだけでなく、トータルコストを削減できる利点がある。
スマートモータの特徴として、駆動と制御系の一体化、多彩なインターフェースを挙げることができる。
【モータだけで制御系を構成】(1)システム構成機器費用を削減(2)ユニットを接続するケーブルが不要(3)ユニット接続の設計が不要(4)モータ制御ソフトウェアが内蔵されており、ユーザーによる制御プログラム作成が簡単(5)ユーザーがプログラムを書き込んで独自の機能を持たせたり、独自の動作をさせることも可能。
【多彩なインターフェース】(1)シリアル通信、アナログ入力、デジタル入力、デジタル出力に対応(2)I/O入出力各11点(3)マルチポートによる同時通信が可能(RS232/485、CANbus)(4)CANを使用したCOMBITRONIC通信。
これらの特徴により、システムコストの削減、開発時間の短縮、信頼性の向上、フィールドサービスコストの低減を実現でき、ユーザーにとってスマートなサーボシステムである。