チノーは、熱電対や測温抵抗体の比較校正試験で温度範囲を低温側に拡大し、マイナス100℃から対応できるサービスを開始した。また、低温用小型校正装置「KT―H504」=写真=を発売したと同時発表した。
今までの接触式温度センサーの低温側校正温度は、窒素や酸素の沸点を利用した校正を除き、油温槽方式によるものはマイナス60℃であった。今回、低温用小型校正装置KT―H503(マイナス100℃~プラス50℃)を用い、下限温度を拡大したもの。
新型の校正装置は、小型スターリング方式冷凍機を用いての安定した均熱ドライブロック方式により測温抵抗体であれば、拡張不確かさ(K=2)0・1℃で校正可能である。
同社では、温度センサーの信頼性やトレーサビリティーが求められている医薬品・バイオメディカル・食品業界、低温測定が重視される冷凍機メーカー、半導体メーカーなどの校正要望に応えられる。
なお、新発売の低温用小型校正装置KT―H504は、均熱ブロック内で校正する構造を採用し、小型軽量で昇降温時間が短く、センサーの汚れも生じない。また、均熱ブロック構造の工夫により水平方向プラスマイナス0・01℃、垂直方向0・1℃とオイルバスに匹敵する温度分布を実現している。