仏・シュナイダーエレクトリック傘下のAPCは、ITシステムにおけるパソコンからデータセンターに至るIT機器の電源・冷却、管理を含めた物理インフラソリューションを提供している。
APCの日本法人であるエーピーシー・ジャパン(東京都港区芝公園2―4―1、TEL03―6402―2001、シリル・ブリッソン社長)は、10月1日から社名を「シュナイダーエレクトリック」に変更し、シュナイダーエレクトリックとしての連携をさらに強めることになった。
社名変更の狙い、同社の今後の取り組み・方向などを、今年1月に社長に就任したシリル・ブリッソン社長に聞いた。
ブリッソン社長は、「APCはITビジネスを中核にしながら、シュナイダーエレクトリック各社と連携してエネルギーマネージメントを展開していく」、そして「日本でのエンジニアリングとサービス力を高めるために人員を倍増させ、ソリューションの取り組みを強める」などと語った。
社長就任後まもなく東日本大震災が発生しましたが。
ブリッソン社長「大震災で当社も倉庫がダメージを受け、在庫や部品調達への影響などで5月末頃までは大変であった。しかし、日本市場を重視する本社の指示で、グローバルチームを挙げてサポート体制を強化し、すぐにフィリピンに部品を集め、日本への製品供給を優先してくれたことで、比較的早く正常な体制に戻すことができた」
今年10月から社名を変更しますが、その狙いを聞かせてください。
ブリッソン社長「シュナイダーエレクトリックはエネルギーマネージメントのスペシャリストとして、世界中でIT、Power、Energy、Industry、Buidldingという5つの分野で、統合ソリューションを展開している。APCはこのうち、ITの分野を担っている。特にこれまで、データセンター向けのソリューションでは、データセンター内のエネルギーマネージメントを担ってきた。ただし、昨今では、データセンター内だけでなく、受配電やファシリティの部分なども統合した効率的なエネルギーマネージメントが求められている。そのように、今後さらに幅広いソリューションを提供していくために、社名をシュナイダーエレクトリックに変更し、会社の方向性を明確にすることが目的」
今後の事業の方向性は変わりますか。
ブリッソン社長「基本的には大きく変わらないが、さらにお客さまのニーズにお応えできるようなソリューションを展開していく。
現在『InfraStruxure』の名称で、電源、空調、管理、サービス機器などをラックに統合したソリューションをサーバールームやデータセンター向けに提案している。これはモジュール設計により、顧客の必要に応じて必要なコンポーネントを選択しながら提供できるソリューションだ。そのソリューションに加えて、米・ペルコ社のカメラセキュリティシステムも販売を開始している。
エンジニアリングとサービス力を高めるために人員を増員させる計画で、ソリューションの取り組みをさらに強める」
10月にイベントを予定されていますが。
ブリッソン社長「企業のIT管理者やデータセンター事業者を対象に『データセンターソリューションフォーラム2011』を、10月11日にザ・プリンスパークタワー東京で開催する。電力消費への関心が高まる中で、データセンターへの新しいソリューションを公開するので、期待して欲しい」