モノレールやゴルフカート、無人搬送車(AGV)などにおいて車体と地上での通信は、一般的に無線方式が用いられる。しかし、ロケーションによる通信障害やプログラム構築、電波法の問題、ノイズによるトラブルなども考慮しなければならない。そんなわずらわしさを解消した製品が登場している。無線ではなく電磁を活用したマコメ研究所のシグナルカプラである。工場やオフィス内の壁で仕切られた通信にも利用範囲が広がっている。
このシグナルカプラは電磁誘導を用いた独自の通信方法で、電波法に触れることなく最大8点(標準仕様4点)まで送受信することができる。汚れ・障害物(非金属に限る)の影響を受けることなく確実に送受信することが可能。また、出力はトランジスタ出力であり近接センサと同等の感覚で使用することができ、特別なプログラムを必要とせずシンプルな制御が可能である。
モノレールでの使用例は、ステーション到着の信号を車体から地上側へ伝える。地上側はこの信号を受け安全用のホーム柵を開ける。人が乗り込みドアを閉めるスイッチを押すと、その信号を地上側へ送りホーム柵が閉じられる。また、金属で遮蔽しなければ埋め込んだ状態で使用することも可能である。
ゴルフカートの場合、地上側からカートへの指令用シグナルカプラを地中に埋め込み、コースルートをカート側へ伝える。カートは指示された通りコースを順番に回り、完走時に地上側へコース終了を伝える。歩道と車道が共有されている場合、突起物もなく安全である。
クリーンルームや危険区域と通常環境区域が壁面で仕切られている場合、穴あけ加工を行うことなく信号伝達が可能なことから様々な応用が考えられる。
世の中に存在しない少し視点を変えた製品は、社会が成熟すればするほど価値があることを、シグナルカプラが証明している。