大阪に本社を置く内外電機は、関西地区の配電盤、分電盤関連事業のトップメーカーである。近年は電気自動車用充電装置や太陽光発電システム関連製品、さらにエネルギーマネジメント技術を利用した受配電制御システムまで事業の幅を広げている。
同社の社名の由来は、創業家である丹羽家の家訓「内平外成」から、「内」と「外」をとったもので、創業時、将来的に国の内外に羽ばたこうという願いを込めて命名された。
また、英社名の「Naigai
Energering
Inc・」のEnergering(エナジェリング)は、「Energy
Management
Engineering」からの造語で、同社の製品はエネルギー(電気)をマネジメント(制御)するもので、その品質を裏付けるエンジニアリング(工学技術)を持つという意味である。
同社の経営理念は、「積極果敢な挑戦と創造の出来る社員を育てる」「社員一人ひとりが夢と誇りを持って働ける企業風土をつくる」「お客様に感動して頂ける魅力ある製品やサービスを提供する」である。
さらに丹羽一郎社長は、具体的な経営上の重要指標として、売上高、営業利益(本業の利益)、一人当たりの売上額、売り上げに対する新製品割合、さらに顧客クレーム数や社員満足度を挙げており、企業として中身の充実を図っている。
同社が主力としてきた製品は、各種キャビネット、プラスチックボックス、キャビネット/盤用パーツ製品、ホーム分電盤、標準分電盤、制御盤・警報盤など多様な配電・制御製品である。
また、盤用パーツ製品の中では技術を集約した「協約形制御モジュール」が好評を得ている。
同社は、こうした分電盤・制御盤、パーツ類の主力事業とともに、近年では環境に対する取り組みと事業強化を図っている。
丹羽社長は「事業活動と地球環境の調和が最重要課題だと認識している」と捉え、積極的に地球環境保全活動に取り組むとともに、具体的な事業展開として電気自動車用充電装置や太陽光発電システム関連製品、さらにエネルギーマネジメント技術を利用した受配電制御システム機器の普及・拡販を行っている。
省エネ・省力関連製品では、小規模自動検針装置「けんしんまんIII」などを投入しており、エネルギーマネジメントシステムを支える機器として活躍している。
現在、同社では山梨工場や京阪奈工場など自社工場で、効率的な空調設備やLED照明などを導入し、使用電力量の削減を図っており、データを収集するなど、その成果を今後のエネルギーマネジメントシステム事業に反映させていく。
丹羽社長は「東日本大震災による福島原子力発電所の事故により、安全な発電や節電が求められる時代になってきた。今後は、従来の送電網に加え、再生可能エネルギーなどを混ぜていく時代になって来る。こうなるとスマートグリッドを含め、各種の電気を混ぜ合わせる制御技術が重要となり、ますます我々盤メーカーの配電制御技術が必要になってくる。こうした状況の変化に応え、今後も必要とされる配電制御技術の開発に努めていきたい」と語っている。
【内外電機のプロフィル】
▽本社=大阪府東大阪市西堤本通東1―1―1、TEL06―6783―3361▽代表者=代表取締役社長丹羽一郎▽創業=1920年(大正9年)、創立=1953年(昭和28年)▽事業内容=電気機械器具製造販売、キュービクル式受電設備、分電盤、制御盤、監視盤、ビル管理集中監視システム、情報通信関連製品など▽資本金=2億5100万円▽営業部・支店・営業所=北海道・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄など全国24カ所▽工場=山梨、岐阜、京阪奈、津山。