10年自動認識機器出荷実績2205億円11年は横バイの2207億円を予測

日本自動認識システム協会(土橋郁夫会長)は、国内自動認識機器の2010年出荷実績と11年出荷予測をまとめている。これは同協会会員企業を中心にアンケート調査を行い、122社の回答で算出した。

10年の自動認識市場は、リーマンショックからの立ち直りが継続し、出荷金額は09年比1・7%増の2205億円と、わずかながら前年比プラスに転じた。食品、医療の安定した需要のほか、運輸、物流、自動車、テレビ等の販売が好調に推移したことによる需要の回復が要因として挙げられる。11年は景気動向が不透明なことと、運送業等の特需要因がないことから、出荷金額は10年比横ばいの2207億円を予測している。

10年の製品分野別では、バーコード関連の出荷金額は、前年比10・9%増の1789億円であった。政府が打ち出したエコポイントやエコカー減税等の経済対策により、電子部品・半導体・家電・自動車・機械業界等の製造設備投資が若干戻り、安定した需要の食品業界・医療分野と運輸・物流業界での特需とサプライ製品が前年を上回る出荷額を計上した。新規需要として期待された一般消費財へのGS1データバーの貼付は14年までに貼付することに変更されたため、業績には結びつかなかった。

製品別出荷金額は、バーコードリーダが前年比25・9%増の443億円、バーコードプリンタが前年比13・2%増の377億円、バーコードサプライが前年比4・4%増の968億円であった。

RFID関連の出荷金額は、前年比1・4%増の339億円であった。RFIDはセキュリティ需要により中波帯のリーダやカードが堅調に推移した。また、米国では世界最大の小売店でのUHF帯導入が進み大きな市場となっているが、日本でもUHF帯出力リーダが認可されたことにより、まだまだクローズな案件ではあるが、アパレル分野での商品管理や物流・製造業など幅広い分野での利用が進みUHF帯が大きく増加した。

内訳は、リーダライタの出荷金額が09年比16・9%増の126億円、RFID(非接触ICカード、タグ、チップ・インレット)は、同4・6%減の189億円、応用機器が同横ばいの22億円、付属品は2・2億円であった。

リーダライタは、長波・中波帯18億円、短波帯が96・5億円、UHF帯が9・9億円、マイクロ波帯が1億円、その他が1億円。RFIDタグ(非接触ICカード、RFタグ、インレット等)は、同4・6%減の189億円であった。

長波・中波は同45%減の9億円、短波帯は同6・5%減の142億円、UHF帯は同95%増の22億円、マイクロ波他は同16%減の15億円であった。バイオメトリクス関連の出荷金額は、ハードウェア18億2000万円、ソフトウェア6億3000万円の計25億円であった。

出荷数量は数量のみ回答した出荷台数を加え、指紋認証は出荷台数09年比3・1倍の264万台、静脈認証は出荷台数が同5・7倍の10万台、顔認証他の出荷台数は3万台であった。指紋認証は、官庁、病院、大学、製造業等などは堅調であり、本年は携帯電話、パソコン需要の数値(台数のみ)が得られたため、出荷台数は大きく伸びた。静脈認証も、入退室管理、ロッカーキーや情報系の個人認証が新たな需要として加わり出荷台数は大きく伸びた。

ソフトウェアは、10年からバイオメトリクスソフトウェアの集計をバイオメトリクス項目へ移行したことにより、ソフトウェアの出荷金額は、09年比4・1%減の52億円であった。

内訳として、バーコード関連ソフトウェアが09年対比1・9%減の49億円、RFID関連ソフトウェアが同34%減の3億円。一方、11年の自動認識機器の製品分野別出荷予測は、バーコード関連が10年比0・8%減の1773億円、RFID関連が同2・7%増の349億円、バイオメトリクス関連が26・3%増の31億円、ソフトウェアが同4・1%増の54億円となっている。

なお、東日本大震災の影響は本予測値に織り込まれていない。

バーコード関連製品では、FA分野での需要は当面なだらかな導入となるが物流、小売、食品関連、医療での堅調な需要が期待されている。RFIDでは、大型案件は見込めないが着実に普及が進むと見られている。

12年に予定されているUHF帯周波数移行に伴う買い控えが懸念されるがセキュリティ、トレーサビリティ、OA分野、FA分野での需要を期待している。

バイオメトリクスでは、安価で安全な指紋認証を中心に、官公庁、大手企業での内部統制用としての導入、PC関連、携帯電話等での個人認証として利用が進むものと予測している。

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