オムロンは、超高速のマシンコントロールを実現するオープンネットワークEtherCATに対応し、フレキシブルな配線形態を実現するEtherCAT分岐スレーブ「形GX―JC03」(3ポートタイプ、標準価格1万8000円)、「形GX―JC06(6ポートタイプ、同3万3000円)=写真=を発売した。
EtherCATは、機器間の配線や機器接続を拡張しやすいディジーチェーン接続を採用しているが、数珠つなぎの配線形態のため複数の工程を持つ大型設備などの場合、全ての工程が完成しないと設備の立ち上げ作業ができないなどの課題があった。EtherCAT分岐スレーブは、従来のディジーチェーン接続に加え、1ポート単位で分岐接続可能なツリー接続やスター接続が可能。複数の工程からなる大型装置などにも対応できるフレキシブルな配線形態を実現する。
フレキシブル配線により工程ごとにポートを割り当てて接続することで、全ての工程の装置が完成しなくても、完成した工程の装置からデバッグ作業が開始でき、装置・設備立ち上げの短縮化をサポートする。
設備稼働時、EtherCATスレーブの故障やネットワーク断線が発生しても、問題が発生した個所のポートに接続されているネットワーク以外は継続して部分稼働が可能。装置稼働率の向上が図れる。スレーブ故障時は、故障した工程のみ停止状態に留まり、仕掛品のロス防止や迅速な設備再稼働に貢献する。
3ポートタイプは、W25×H90×D78ミリ、6ポートタイプは、W48×H90×D78ミリと業界最小の小型サイズで、盤内の省スペース化を実現。特に3ポートタイプの横幅は25ミリで、狭い場所など取り付け場所を選ばない。
分岐ユニットは、DC24Vを供給するだけで動作可能。また、長距離配線にも対応する電源電圧で、配線の長距離化による電圧降下に対応し、最大DC28・8Vから、最小DC20・4Vまで電源電圧範囲を広く設定している。