FA・制御システムの重要部分を担っているFAセンサは、半導体製造装置分野や液晶製造装置分野、自動車関連分野、工作機械分野、電子部品分野、さらに非FA分野など幅広い領域で、センシング機器として確固たる市場を形成している。国内市場は、2008年9月のリーマンショック以降、急速に需要が回復、日本電気制御機器工業会(NECA)の検出用スイッチの出荷統計では、10年度は前年度比38・1%増の1137億円と大きく回復した。今年3月の東日本大震災により11年度第1四半期は同4%減となっているが、第2四半期以降、需要は堅調に推移しており、今後の伸びに期待がかかる。一方、輸出は依然として中国・アジア向け、さらに新興国市場向けが好調に推移している。製品傾向では、MEMS技術搭載のセンサが注目されているほか、国際安全規格対応で導入時の工数削減が図れるセーフティライトカーテン、また大手PLCメーカーのPLCに直接接続でき、低コストで高速サンプリングが可能なセンサコントロールユニットなど、注目される新製品や関連製品が続々と発売されている。
Faセンサ市場は、10年度の第1四半期(4~6月)を底に、半導体・液晶製造装置分野、電子部品関連分野、工作機械分野などを中心に順調に回復。NECAの検出用スイッチの出荷統計によると、09年度は前年比14・2%減の824億円であったが、10年度は同38・1%増の1137億円と大きく回復した。今年3月に発生した東日本大震災により、11年度第1四半期は同4%減の273億円となったが、震災の影響が出ていた生産体制もほぼ回復し、第2四半期以降、供給、需要とも順調に回復している。
主要市場の動きは、半導体製造装置関連は、日本半導体製造装置協会による日本製同装置の受注額のBBレシオでは、3月に震災が起こったにもかかわらず、今年3月から6月まで0・9台と高水準で推移している。
工作機械の受注金額も、日本工作機械工業会の統計によると、10年の累計額は前年度137・6%増という大幅な伸びを示し、9786億円となった。今年も大幅な増加が見込まれており、約1兆3000億円とさらに拡大しそうだ。
ロボット関連市場は、日本ロボット工業会による10年度の受注額は同12・9%増の5756億円、11年度の第1四半期も同6・1%増の1418億円と7四半期連続でプラス成長となっている。国内出荷内訳では、自動車産業向けが同40・9%増で4四半期連続の増加、電子・電気機械産業向けも同4・8%増で6四半期連続増加、さらに情報通信機器の販売好調を受け、半導体のウエハー搬送用が伸長している。
最近、FAセンサの安定市場として期待されている食品・医薬品・化粧品の3品業界は、食品や医薬・化粧品などの製造ラインで各種の認識・識別センサの採用が拡大しており、各センサメーカーでもこうした分野に向け、新製品を積極的に投入している。
太陽光発電関連や風力発電などの再生可能エネルギー分野も大きな市場として注目されている。原発事故以降、安全でクリーンな新エネルギーの可能性に改めて注目が集まっている。
中でも太陽光発電は、国内の電力メーカーが本格的な太陽光発電所建設に動き出しているほか、各公共施設、工場、ビル、倉庫、大規模店舗、ソーラーハウスなどで太陽光発電システム導入に向けた動きが活発化しており、FAセンサ分野でも大きな需要が見込まれている。
FAセンサの中で、最も市場が大きい光電センサは、LEDや半導体レーザを光源にした非接触センサで、検出方式は透過型、回帰反射型、拡散反射型などがある。長距離検出には透過型が最適。回帰反射型は、透過型で必要だった投光部と受光部の配線が不要で、配線工数や設置工数を半減できるメリットがある。
そのほか超小型ヘッドで取り付けスペースが小さいアンプ分離型、DC電源で使え応答速度が速いアンプ内蔵型、AC電源で使え取り扱いが容易な電源内蔵型、取り付け場所を選ばず微小物体も検出できる光ファイバー式などがある。FA分野では、隙間などにも取り付けられ、光ファイバー部を交換するだけで様々な用途に対応できる光ファイバー式のアンプ分離型の需要が多い。
半導体や液晶製造装置では、微小物体検出用として、高精度、ローコスト、取り扱いやすいなどの理由から光電センサの使用個数が増加、大きな市場を形成している。小型化と長距離検出、高い保護特性などが著しく、検出距離50メートル、保護特性IP69Kといった製品も登場している。