日立製作所は、工場やビルで利用する機器の状態をセンサ端末で測定し、携帯電話網による無線ネットワークを利用して監視センタにデータを集約する、遠隔監視システムの高信頼化技術を開発した。この技術は、アラーム信号の到達時間を短縮化し、センサ端末のデータ通信を阻害する他の無線電波の影響を回避することによって通信エラー率を低減するとともに、センサ端末で測定されたデータの異常値を優先的に送信するもの。
IEEE802・15・4標準規格のセンサ端末30台を用いて、無線LANや設備機器が共存する工場内の環境下で、センサ端末で測定したデータの通信実験を行ったところ、ゲートウェイまでのデータ到達時間3秒以内において、データ通信エラー率が、本技術を適用しない場合の約100分の1に、EVDO方式携帯電話網におけるアラーム情報の到達遅延時間を従来の約10分の1に低減できることを確認した。今後、スマートシティなどへの応用も期待される。