電力で目が離せなかった先週。9日に日本では電力使用制限令が解除され、15日に韓国でソウル市、釜山市など大都市で強制停電があり、翌16日に日本で経済産業省の新たなエネルギー産業研究会が「新エネルギー産業の展望」中間整理案をまとめた。エネルギーへの関心は否応なしに高まる。
研究会の中間報告によると、新エネルギーの世界市場規模は2010年30・3兆円に対し20年には2・8倍の86兆円と試算している。海外のエネルギー政策は、米国が10年間で14・5兆円以上、英国では20年までに洋上風力発電に14兆円を投資する計画である。ドイツも電力供給に対する再生可能エネルギーの比率を20年に35%まで引き上げる。
先進国の経済対策は再生可能エネルギー一色であるが、いずれも国内供給だけでなく新興国などへのシステム技術輸出を狙っている。日本も同様で、20年には新エネルギー輸出比率が3割を超すと試算しているが、目論見通りに事が運べばの話である。市場の拡大が見込めると、規格の主導権争いが始まる。
制御部品・機器、送配電制御システム業界も関わってくる。電機、配電制御システム、電気制御機器、電気計測器などの各工業会が国際規格を目指し共同提案する必要性が増している。