可燃性ガス、引火性液体を扱う工場・プラントでの爆発事故は依然増加傾向で推移している。設備の経年劣化や熟練担当者の減少、さらにはこれらの業務のアウトソーシング化などで的確な運用ができづらくなっていることなどが背景にある。NECAでは、2004年に機械運用安全分野の資格認証制度として「セーフティアセッサ(SA)資格」を設けて、設計者の機械安全の知識と能力を認定している。
10年からは製造や管理、営業など非技術系での機械安全運用知識を有する人材育成を目的とした「セーフティベーシックアセッサ資格」も加えている。
新たに設けたのは、これの防爆電気機器向け版として、防爆電気機器の安全確保のための人材育成プログラムの推進、知識・スキル保有などを高めるための第三者認証プログラムとして、「セーフティベーシックアセッサ(防爆電気機器安全分野)資格認証制度」(SBA―Ex)だ。
現在、防爆技術の体系的な伝承が確実に行われておらず、特に若年者では伝承が遅れている。
このため、危険領域で実際に作業するユーザーの防爆電気機器への理解も浅くなっており、爆発事故を発生しやすい作業環境を生み出している。
SBA―Exは、IEC60079―17(防爆電気設備の保守・点検)が示す保守担当者の用件に相当する防爆電気機器安全の基礎知識の保有に該当する。
対象は防爆電気機器を使用する現場設備の安全パトロールや点検を行う設備の運用者・管理者、オペレータ、保全関係者など。この資格を有することで、実務者は保安上さらに的確な業務が遂行できるほか、実務を伴わない設備管理者にとっても、資格保有者がいることで、設備管理の面から爆発危険場所での防爆電気設備の安全確保の点から効果が期待できる。
なお、実務の運用は機械安全と同様、日本認証(JC、大阪市淀川区西宮原2―7―53)が行う。
SBA―Exの第1回資格認証プログラムの講習会及び定期試験は、11月25日に東京と大阪の2カ所で実施される。講習会と試験が1日で行われ、合格者には「セーフティベーシックアセッサ(防爆電気機器安全分野)適格性証明書」が発行される。講習会と試験の受付けは9月26日~10月28日。
防爆電気機器の安全オペレータを対象とした資格制度は国際的にも初めてで、将来的には防爆の国際アセッサー制度としての定着も視野に入れている。
詳細はJCのホームページ(http://www.japan‐certification.com)まで。