オータックス(横浜市港北区新羽町1215、〓045―543―5621、富田周敬社長)は、DIPスイッチ新製品3シリーズを今年11月から順次発売する。
発売するのは、超薄型ハーフピッチの「KHLシリーズ」=写真、エコノミータイプの「KAシリーズ」、低ハロゲン対応ハーフピッチの「KHWシリーズ」。
KHLシリーズは、本体の溶着方法を超音波からレーザーに変更したことで、高さを1・5ミリと業界トップクラスの薄型化をハーフピッチサイズで実現した。これにより、同社のKHS8極に比べ体積で約半分となり、更なる高密度実装が可能になる。
また、SMTマウンターによる自動実装やリフロー及び洗浄(テープシール)にも対応できる。接点はツインコンタクト金メッキ接点を標準仕様でそろえている。サンプル価格は280円(8極)で、当初は月産30万個を予定。
KAシリーズは、同社のKSシリーズの形状、性能を維持しながら、接点にスズメッキ仕様を採用することで、金メッキ仕様に比べコストを下げた。RoHS指令では鉛フリーの観点からはんだの付きやすい金メッキを採用しているが、スズメッキ使用でも一定の性能が確保できることから開発した。
同社独自のナイフエッジハイプレシャー接触方式で安定した接触を保持しており、接触圧力も1960N/平方ミリと振動・衝撃による誤作動を防げる。洗浄もテープシールなしで対応可能。サンプル価格は130円(8極)で、当初は月産50万個を予定。
KHWシリーズは、既発売のKHSシリーズの形状・性能を維持しながら、業界で初めて難燃剤のハロゲンの使用を低く抑えて環境に配慮している。ハロゲンはRoHS指令でも環境への有害物質として規制の動きがあることから、同社では低ハロゲン使用品として、カバー及びケースに700~800ppmの塩素を使用しているが、ノブには臭素を不使用としている。
接点はツインコンタクト金メッキ接点が標準仕様で、SMTマウンターによる自動実装やリフロー及び洗浄(テープシール)にも対応できる。サンプル価格は260円(8極)で、当初は月産30万個を予定。
同社はDIPスイッチのトップメーカーとして、日本、中国、韓国に加え、今年5月からはマレーシアでも生産を開始しており、世界4拠点で今月から月産1000万個体制を確立。このうちハーフピッチDIPスイッチは月産200万個を突破している。
富田社長は「月産1200万個を確立して、世界No.1のDIPスイッチメーカーを目指し、顧客のリードタイム短縮に貢献したい」と意欲的な抱負を語っている。なお、これらの製品は10月4日から幕張メッセで開催のCEATEC展に出展・展示する。