オムロンは、ASP提供型デマンド監視サービスの新標準機能として、複数拠点のデマンド計測値を合算し監視する機能(デマンド合算機能)を持つ「デマンド監視サービス」を、共同使用制限スキームに取り組む企業に向け、販売を開始した。オープン価格。
現在、深刻な電力需給ギャップが緊急の社会的課題となっており、政府は一律15%削減という需要抑制目標を掲げ、大口・小口需要家、家庭の部門ごとに対策を講じることを求めている。経済産業省では、契約電力500kW以上の大口需要家の対策として、電気事業法第27条に基づく使用制限を発令し、電力使用制限の実施を決定した。
一方、同省では電力削減の取り組みとして、複数事業所総体が使用最大電力を抑制する「共同使用制限スキーム」を認めている。同スキームに取り組む企業は、タイムリーな現状把握と対策実施が必須条件となる。従来のデマンド監視機能では、拠点単位でしか計測できず、煩雑なデータ集計や検討作業を短期間で行いつつ、使用電力の制限値を超えないよう舵取りを行う必要があった。
同社のデマンド監視サービスは、ASP型サービスの強みである遠隔地にある複数拠点のデータを1カ所に集約する仕組みを活かし、すでに提供しているデマンド監視サービスの新たな標準機能となるもの。
中心となるデマンド合算機能は、同スキームに取り組む企業が、複数拠点の使用電力を同時に把握しながら、節電対策をスピーディに検討できるようにする。同社のデマンド監視サービスは無線タイプで、有線タイプより比較的短期で導入でき、喫緊の課題へ迅速に対応する。
デマンド合算機能は、複数拠点(最大250拠点まで)の使用電力状況を30分単位で表示、節電対策が検討できる。また、デマンド合算した数値に対し、目標数値を2段階で設定しグラフ表示する機能により、より確実な目標達成をサポートする2段階の目標設定機能を持つ。
複数拠点のデマンド合算値、事業所ごとのピーク数値、ボトム数値をカラーで強調表示。事業所ごとの電力使用傾向の把握をサポートする。さらに、CSV出力機能によりエクセルなどの表計算ソフトに計測データを取り込み、より詳細な分析に利用できる。
また、省令で定めるレポート出力機能(予定)搭載により、煩雑な作業の軽減をサポートする。
同サービスにより、対象エリアの複数拠点のエネルギー使用状況を合算し見える化することで、15%削減に向けた管理・対策を行うことができるほか、デマンド計測データを参照することで、各拠点の電力ピークを把握し、稼働時間を変更するなどのピークシフト対策を立案することができる。