一方、防爆関連機器を必要とする危険個所は、08年3月に改正された労働安全衛生法で「爆発のある濃度に達するおそれに」という文言が追加され、危険物や可燃性物質、高圧ガスなどを取り扱う事業所は、大規模な事業所から半導体製造工場や燃料電池関連などの先端事業所、ガソリンスタンド、LNG・LPG充填所、塗装作業所、さらに有機溶剤の取扱所など小規模なものまで法改正の対象となっており、防爆関連機器を必要とする個所が拡大している。
また、同法改正により、危険場所の区分が法的にも義務付けられ、既存のプラントでも法改正の影響を受けることになった。さらに海外では以前から使用可能であった防爆構造のものも、日本で防爆検定を受けて使用できるようになった。
このような危険個所では、爆発事故などを防ぐため電子・電気機器を隔離しなければならない。例えば、危険個所では石油などは常温でも気化し、その蒸気や温度によってはスイッチなどの開閉に伴う微小の電気火花や静電気による火花でも引火や爆発する恐れがある。
最近は、危険個所の工場・設備もエレクトロニクス化やオートメーション化が進み、電子・電気機器が原因となって火災や爆発が起こるケースも少なくない。特に、ここ数年は設備の更新遅れや熟練の保守点検要員の退職といった理由から、高圧ガスの製造事業所での事故件数が急激に増加しており、電子・電気機器の防爆対策へのニーズが急速に高まっている。
製品別では耐圧防爆構造、本質安全防爆機器の動きが顕著になっている。半導体製造関連分野、有機溶剤を取り扱う自動車塗装関連分野などでは、本質安全防爆機器の採用が広がっている。さらに、新たな市場として食品業界や薬品業界にも防爆関連機器採用の動きが活発化している。
防爆製品は大きく、FA制御機器分野、モータ分野、照明分野、計測機器分野の4つに分かれるが、FA制御機器分野の市場規模は約50億~60億円で市場は着実に拡大している。
FA制御機器分野の防爆機器は日本電気制御機器工業会(NECA)が多く関連し、コントロールボックス、バリアリレー、タッチパネル表示器、リミットスイッチ、各種センサー、回転灯、バーコードリーダー、ソケット、パソコンなど多種多様となっている。