高圧受変電設備(キュービクル)、変圧器、各種配電・制御盤メーカーの菅原電機産業(兵庫県西宮市西宮浜2―25、〓0798―33―6611、菅原進社長)は、高圧受変電設備や各種の配電盤、制御盤などのレンタル・リース事業を全国に拡大する。
同社は、1938年(昭和13年)創業、大手電機メーカー向け高圧変圧機器の製作からスタートし、その後、高圧受変電設備や各種配電・制御盤などを製作、販売面でも電機メーカーのほか、ゼネコンなどルートを拡大してきた。その間、高低圧電気設備工事やメンテナンス、省エネルギー工事なども手がけるなど事業の幅を広げてきた。同社の最大の特徴は、取り扱い製品のレンタル・リース事業を積極展開し、それらに付随する電気工事施工事業も行っていることだ。
現在では、高圧受変電設備、トランス、配電・分電盤のほか、インバータ盤、制御盤、発電機、高調波対策機器(アクティブフィルタ)、高圧区分開閉器盤、フリッカ対策機器(リアクトル式&アクティブフィルタ式)などレンタル・リースの品目を拡大している。
レンタルするには多くの在庫が必要だが、同社は敷地面積約6000平方メートルという広大な同社の加古川ストックヤード(兵庫県加古川市)に製品を保管。在庫台数はキュービクルや配電盤など約1000台、変圧器は約2000台に上っており、在庫規模は国内トップクラスである。
容量も100kVAから7000kVAまで揃えており、豊富な在庫の中から全国の建築工事現場、土木工事現場、プラント工事現場、各種イベント会場などに変電設備をはじめ様々な製品をレンタル・リース提供している。
レンタル期間は1日から5年まで幅広く対応しており、特に博覧会のパビリオンや屋外でのイベント、コンサート会場など、キュービクルや配電盤を短期間使用する場合は、レンタルするほうが低コストで便利なケースが多い。
さらに製品の納入期間が早いことから、最近では自然災害の復旧・復興用の仮設電気設備用として需要も拡大、今年3月に起こった東日本大震災の復旧・復興現場でも同社の製品が数多くレンタルされ活躍した。
また、国内のみならず、インフラ需要が拡大している中近東など海外に向けてもレンタル輸出を行っている。
また、製品のレンタルとともに、特高設備工事や電力監視・制御・計装工事、フリッカ対策工事など各種の工事を手がけるほか、高圧受電設備のコンサルティングやリニューアル、設計なども行っており、顧客のニーズに迅速かつ的確に対応している。
同社が手がけた案件は、関西国際空港の工事用に120台レンタルしたほか、大阪の梅田・阿倍野・難波の各再開発、りんくうタウン、神戸ハーバーランド、六甲アイランド、京都駅開発、本州四国連絡橋、第2東名高速自動車道路などの高速道路、大阪などの市営地下鉄、電力会社各社の発電所のほか、岐阜県の徳山ダムなど官民合わせ多数の実績を挙げている。
同社の製品は品質レベルも高く、日本配電制御システム工業会が、優れた品質保証体制と優秀な製造技術を有する工場として認定する「JSIA優良工場」としても認定を受けており、品質面でも万全の体制を整えている。
菅原社長は「創業以来、高圧変電機器の製造を中心に業績・業容を拡大してきた。現在は『機能を貸す』というコンセプトでレンタル・リース事業を拡大しながら電気工事施工事業にも注力している。最近は各企業が目指す『ライフサイクルエンジニアリング』に対応し、レンタル・リース事業において再利用・再使用で顧客に商品の有用性を提供しており、環境配慮と社会資本の充実に貢献できればと考えている。今後はこうした企業理念のもと、レンタル・リース事業を全国に拡大していきたい」と語っている。